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「服薬の常識」と流通を変える次世代型「オンライン調剤薬局」がやってきた

7/25(火) 7:32配信

WIRED.jp

これまでにない新しいスタイルで調剤薬局の機能を提供すべく、薬剤師とエンジニアが立ち上げたスタートアップ企業PillPack。処方薬を1回分ずつ小分けにしたり、店舗を持たず通信販売で利用者に届けるなど話題を集める。2013年の創業から4年が経ち、積極的な設備投資でさらなる事業の拡大を図る。デザインとロボティクスの融合で、米国人のヘルスケアはどう変わるのか。

シリコンヴァレーでブームになっている「スマートドラッグの起業」

処方薬の入ったオレンジ色のプラスティック容器がカウンターに散乱し、服用時期が書かれた紙やリストがそばに落ちている──。米ニューハンプシャー州の小さな町で育ったT・J・パーカーは、父の経営する薬局からお客に処方薬を配達するたび、そんな光景を目にしていた。

米国では、処方薬は1錠ずつ小分けされておらず、種類ごとに1つの容器にまとめて入れられることが多い。患者は毎回、必要な錠数を間違えないよう取り出さなければならないのだ。どの家でも薬の管理は難しく、誰もがストレスを感じている様子にパーカーはショックを受けた。

そこで、薬瓶のラベルの細かい文字を読めない女性には、薬の頭文字を瓶のキャップにサインペンで書いてあげていた。大した手間ではなかったし、彼女が薬の種類と飲むタイミングを間違えないためにできることといえば、それくらいだったのだ。

パーカーはずっとその女性のことを考え続けた。大学に入っても、後に進学した薬科大学でも。在籍していないマサチューセッツ工科大学(MIT)のイノヴェイション起業コンテストに潜りこみ、そこでエンジニアリングを学ぶエリオット・コーエンと知り合って、共同開発に打ち込むあいだも。

そして2013年、薬剤師となったパーカーとエンジニアであるコーエンはスタートアップ企業のPillPackを立ち上げた[関連記事]。まったく新しいスタイルの調剤薬局の機能を提供するビジネスだ。従来とは異なり、処方薬を1回分ずつ個包装する画期的なパッケージングで処方し、飲み忘れや飲み間違いを防ぎ、健康増進に貢献する。薬を郵送する通信販売スタイルで薬局通いの手間を省き、利便性を高める。こうした工夫で注目を集めてきた。

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最終更新:7/25(火) 7:32
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