ここから本文です

アラブの王族もお手上げ。 競走馬セレクトセールはジャパンマネー強し

7/25(火) 7:53配信

webスポルティーバ

 億万長者オーナーらの活発な購買活動で過去最高の盛況に終わった今年の「セレクトセール2017」(主催・JRHA日本競走馬協会)。大きく目立ったのはこうした日本のミリオンダラーたちだが、実は海外からの視線も例年以上に注がれていた。

【写真】デビューに向けて調整が進んでいるフラットレー

 というのも、このところの日本調教馬によるドバイや香港、フランスなどの大レースでの好結果に加えて、日本ブランドの血統を持つ海外調教馬も世界各地で活躍が相次いでいるからだ。

 例えば、2014年のセレクトセールでカタールのシェイク・ファハド殿下に購買されたチリエージェの2014(牡3歳/父ヴィクトワールピサ)はWarring Statesと命名され、ドイツで調教を積み、当地のGIII競走を勝利した。一昨年にオーストラリアの女性調教師ゲイ・ウォーターハウスが購買したアワーオアシスの2014(牡3歳/父バゴ)はフランスに渡り、Bag Raiderの名で先日、初勝利を挙げた。また、セレクトセール出身ではないものの、ハーツクライ産駒のYoshida(牡3歳)がアメリカで、ディープインパクト産駒のSeptember(牝2歳)がイギリスで、それぞれ準重賞を勝利している。

 とりわけインパクトが大きかったのがSeptemberの勝利だ。勝ったレースが王室主催のロイヤルアスコット開催で、2戦2勝の内容がいずれもパーフェクト。さらに、アイルランドの名門エイダン・オブライエン厩舎の管理ということで、早くも来年のクラシック候補として注目が高まっている。

 それだけに、確実に日本の良血が上場されるセレクトセールは、いまや世界中からバイヤーが集まるものとなり、今年も多くの外国人関係者がセール会場に姿を見せた。

 ところが、前述のSeptemberを所有するクールモアグループも現場にいたようだが、お目当ての馬を落札できず、1頭も購入できないままセールを後にすることとなった。実は昨年もお目当ての馬を「サトノ」の冠名でお馴染みの里見治氏と競り合った末に購買を見送っており、ジャパンマネーの厚い壁にまたしても阻まれた形となった。こうした状況を、海外からの参加者はどう見ているのだろうか。

「実にエキサイティングなセールです。今や日本の血統は世界のどこであっても無視はできない。ここに来れば、その血統の中でも上質な部類の馬たちを確実に手に入れることができます。ただし、そのためには予算が驚くほど必要ですね。この予算をどこまで取れるか、オーナーやバックアップするシンジケートの資金力が試されます」

 そう語るのは、オーストラリア人のマーク・プレイヤー氏。香港国際競走のスカウトのほか、馬主のエージェントとしても活動しており、今回のセールでもクリムゾンブーケの2016(牝1歳/父ハーツクライ)を2500万円で購買していた。強い日差しに目を覆いながらプレイヤー氏は続ける。

「今年は非常に暑い。ですから、みなさん少し熱にやられているのかもしれません。少しクールダウンしてくれないと、我々のような外国からのバイヤーは簡単に手が出せません(笑)」

 一方で、購買目的とは別の用事でセールに来場していた、日本人ながらニュージーランドのオークススタッドファームに勤務する小西研二氏は、「一部のセールの活況は世界的な傾向」と語ってくれた。

「4月にオーストラリアのイースターセールに行ったんですが、そこと似た雰囲気です。やはりいい馬が上場されるセールには世界中からお金が流れ込んでいるので、いい馬はより高くなりますし、それを買うつもりだったのに買えなかった、そこそこ資金力のあるバイヤーが下の価格帯に手を出しますので、そのぶん全体的に平均価格は上がってしまいます。これは共通した傾向ではないでしょうか」

1/2ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

Sportivaムック
4月13日発売

定価 本体1,472円+税

フィギュア特集
『羽生結弦 平昌への道』
■ヘルシンキの激闘
■宇野昌磨、本田真凜ほか