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GoPro初の360度カメラ「Fusion」は、VRと組み合わせると驚くべき臨場感だった

7/25(火) 12:11配信

WIRED.jp

GoProが開発中の360度カメラ「Fusion」。年内発売とされる新製品の開発中モデルを、『WIRED』US版がテストした。「5.2K画質」をうたう動画の美しさ、そしてVRヘッドセットと組み合わせた際の臨場感を、開発中ゆえの諸問題なども交えながら紹介する。

GoProが公開した「Fusion」の予告動画を見る

アクションカムの大手メーカーであるGoProが360度カメラの分野に参入するのには、もっともな理由がある。世界一危険な波ともいわれるカリフォルニア州マーヴェリックスのビッグウェーヴをサーフボードで乗りこなしたり、国際宇宙ステーションの周りを遊泳したりする可能性が今後まずない人であっても、そのときに目にするであろう光景を体験してみたいかと言われれば、きっとしたいと答えるだろう。

エクストリームスポーツの世界は、没入感あふれる360度動画にとって魅力的な分野のひとつになっている。そして、GoProのPOV(Point of View=視点ショット)カメラは、そのエクストリームスポーツ界で大きな役割を果たしているのだ。

GoProが360度カメラ「Fusion」を開発すると発表したのは2017年4月のことだ。『WIRED』US版では最近、開発中のFusionを少しのあいだ試す機会を得た。

ただしGoProは今回テストした開発中モデルについて、完成したコンポーネント(ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアなど)はひとつもないことを繰り返し強調していた。また、どのようなストレステストを行っても問題が起きないようにするため、この開発段階のカメラに常に気を配っていた。とはいえ、開発中の製品を触った結論はと言えば、慎重ながらも楽観的な見方をするようになったのである。

カメラの本体はフラットな箱型をしており、サイズは縦横約3インチ(約7.6センチ)、厚さは約1インチ(約2.5センチ)だ。前面と背面には魚眼レンズが1つずつ付いており、両方のレンズが連携してカメラの周囲360度を撮影する。また、電源ボタンが前面に、モードボタンが側面にある。底面には標準的な取り付け穴が2つあり、GoProのすべてのマウンティングブラケットを取り付けられる。ただし、この2つの取り付け穴を外側にスライドできる点が、GoProのほかのカメラとは異なっている。

Fusionのデザインは、GoProブランドのイメージをほぼ踏襲している。色やボタンは「HERO5 Black」や「HERO5 Session」といった同社製品にそっくりだ。面白いのはマイク端子で、上面に3つ、背面に1つ付いているにもかかわらず、前面には付いていなかった。先ほど述べたように、これは最終製品ではないとはいえ、やや奇妙な感じがする。撮影した動画を確認した限りでは、音声は非常にきれいだったが、完成品を評価できるようになるまで判断は控えておこう。

次に、Fusionで撮影したいくつかの動画を(スマートフォン「Galaxy S7」に接続した)サムスンのヘッドセット「Gear VR」で視聴してみた。GoProが公開した「Fusion」の予告動画には、読者が期待するようなエクストリームスポーツの映像が数多く詰め込まれている。例えばウイングスーツジャンプ、パラシュートを装着してスキーをするスピードライディング、カヤックなどだ。

実は5.2K画質で360度動画を撮影することには、やや懐疑的だった。だが、現在の仮想現実(VR)コンテンツで期待されるレヴェルには到達しているようだった。正確に説明すると、ディスプレイが5.2Kに対応できるほど高解像度でなかったため、「スクリーンドアエフェクト」と呼ばれる不快な網目模様が見えることはあったものの、全体的には非常によい画質だった。

それより重要なのは、思わずゾクッとしてしまうほどの臨場感があったことだ。山の頂上からウイングスーツで滑空する様子や、スキージャンプをVRで最後まで体験したときには、胃が緊張して心臓の鼓動が速くなるのを感じた。こうした身体反応が起こるのはVRヘッドセットならではだろう。普通のプレイヤーで360度動画を見てもこうはならない。また、予告動画を見る限り、2つの異なるカメラで撮られた映像のつなぎ目を見つけることは非常に困難だった。

Fusionの目玉機能のひとつに、「OverCapture」(オーヴァーキャプチャー)モードがある。これは、GoProのVRソフトウェアを使うことで、撮影を終えた360度動画から任意の角度のシーンを選び、1080pのHD動画を作成できるものだ。つまり、撮影がすでに終わった動画に対して、まるで撮影監督のように、自由にカメラの角度を変えたりカメラをパンしたりできる。

また、すべてのデータを取り込んで、あらゆる角度のシーンを含む1080pの動画を作成し、「小さい画面で周囲の世界をすべて見る」こともできるようになる。こうした機能をうまく利用すれば、非常に劇的な効果が生まれる。上の動画は、Fusionの予告動画をOverCaptureで編集したものだが、ご覧いただければわかるように、動画が1080pの解像度できれいに再生されている。

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最終更新:7/25(火) 12:11
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