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戦力には影響皆無も…山口俊の暴力事件で再び問われる巨人のコンプライアンス問題

7/25(火) 11:35配信

ベースボールチャンネル

 読売ジャイアンツにまたしても事件が起こった。今年、横浜DeNAベイスターズから移籍してきた山口俊投手が、飲酒による暴力トラブルを起こした疑惑が浮上している。事件発覚後は古巣在籍時から酒癖が悪いことで有名だったことが報じられている。巨人サイドがそのことを把握していたのかも気になるところだが、かつての「球界の盟主」が試合以外のことで大ニュースにならないよう、しっかりと球団運営をしてほしい。

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■コンプライアンス問題に本気で取り組もうとしていたのか

 巨人のコンプライアンスが再び厳しく問われている。飲酒による暴力トラブル疑惑が発覚した巨人・山口俊投手が出場選手登録を抹消されてから1週間弱。球団側から練習自粛を通達されて以降、当の本人は未だ公の場に姿を見せていない。

 もう何度も見聞きしているとは思うが、事のあらましは次の通りだ。山口俊は11日未明に都内の飲食店で負傷した右手甲の治療を希望し、泥酔状態のまま夜間診療で訪れた病院で扉を破損させ、止めに入った男性警備員に全治2週間の大ケガを負わせた。病院側が110番通報したが、あろうことか山口俊はともに来院した家族とみられる女性とともにその場を立ち去ってしまったという。

 警察沙汰になったにも関わらず、山口俊は球団へ報告せずに18日の中日ドラゴンズ戦で先発マウンドに立とうとしていたのだから開いた口がふさがらない。だが結局、18日の予告先発は当日になって球団側が情報を把握したことで回避となった。この案件については警視庁・目黒署が現在も捜査を続けていることから、終着点がなかなか見えにくい状況となっているようだ。

 国内FA権を行使し、今季から念願のYGユニホームに袖を通したものの右肩痛で開幕は3軍スタートとなり、ようやく6月上旬に1軍のマウンドに立つようになってからもここまで4試合の登板で1勝1敗、防御率6.43。お世辞にも山口俊が戦力になっているとはいい難い。その上、このタイミングにおいての疑惑発覚でチーム内からはもちろんのこと世間からも批判の集中砲火が浴びせられている。

 一昨年秋、そして昨年春と所属選手複数名の野球賭博問題が2度に渡って発覚。本来ならばコンプライアンス厳守を12球団の中でも最も徹底しなければならない立場の球団が、またしても所属選手の不祥事を引き起こしてしまった。巨人の球団イメージの低下だけでなく、野球賭博問題の時と同じ形で球界全体にダーティーな印象を与えてしまうことも懸念される。


■山口俊が離脱してもチーム戦力には何の影響もない

 一度や二度ならず、またしても繰り返してしまったのだから熱心に応援してくれているG党や、球界全体のイメージ低下のとばっちりを受けてしまいそうな他の11球団としては「本気でコンプライアンス問題に取り組んでいたのか」と怒鳴りたくなるような心境に違いない。

 一番どうしようもないのは、誰よりも山口俊本人だ。しかしながら、やはり巨人の現場責任者とフロント幹部にも所属選手の不祥事である以上、監督責任が問われてくる。

 実を言えば、山口俊の酒癖の悪さは古巣・横浜DeNAべイスターズの関係者の間では知られた話だった。結果論かもしれないが、そうしたマイナス材料を巨人側は事前の身辺調査をロクにしなかったことから情報収集が出来ておらず、そのまま獲得に動いてしまったのではないかと疑念を向けられても仕方がない。

 だが、何はともあれ救いなのは山口俊が離脱してもチームは戦力的にまったくと言っていいほどビクともしていない点だ。前カードのDeNA3連戦(横浜)こそ1勝1敗1分で5カード連続勝ち越しを逃したが、負け越さなかったと考えればあくまでも最低ラインながらプラスにとらえることが出来るかもしれない。

 巨人の選手たちが「山口俊騒動」に振り回されることを嫌い、懸命になって結果を出そうとグラウンドのプレーに集中し、一致団結している。何とも皮肉だが、一連の問題によって選手たちは尻に火をつけられ、チーム全体としても逆に今まで以上の力を発揮できるような態勢が整えられつつあるようだ。自分たちも同じように見られてしまったら、かなわない――。選手たちには、個々にそういう思いがあるのだろう。

 もういい加減、グラウンド上の戦いにスポットライトが当てられるような球団運営を遂行してほしい。かつて「球界の盟主」と言われた巨人には切にそう願っている。


臼北信行

ベースボールチャンネル編集部