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レモンでおなじみポッカサッポロの次の一手は大豆!?

7/25(火) 19:10配信

@DIME

 食品メーカーの中には、特定の食材のイメージが強いところがある。その代表といってもいいのが、ポッカサッポロ フード&ビバレッジではないだろうか。同社といえば、『ポッカレモン』や『キレートレモン』というレモンを使った商品のイメージが強いため、レモンのイメージが強い。

 しかし今後は、同社にはレモンに加えて大豆のイメージもつくかもしれない。というのも、同社では今後、大豆・チルド事業を強化していくからである。同社と大豆の結び付きにピンと来ない方もいると思われるので、大豆・チルド事業に取り組むことになった経緯から話を始めよう。

■大豆・チルド事業への参入と強化

 同社が大豆・チルド事業に参入したのは2015年のこと。洋菓子メーカーのトーラク(神戸市)から豆乳飲料と豆乳ヨーグルトの営業権を譲り受けたことによる。

 大豆に注目したのは、大豆は加工用途が広いことに加え、タンパク質やイソフラボンといった健康素材としての力に可能性を感じたため。なかでも、新鮮なものを自分のために摂りいれていきたいというニーズが高まっていることから、豆乳や豆乳ヨーグルトといった大豆を使ったチルド食品に注目した。これまで常温流通食品を展開してきた同社にとって、これからさらに成長していくには、チルド温度帯食品の展開が不可欠だと判断したためである。

 同社はこのほど、大豆・チルド事業の強化を表明したが、これは同社が所属するサッポログロープの中長期計画「スピード150」と大きく関連がある。2026年に創立150周年を迎えるサッポログループは、「スピード150」で酒、食、飲という3つのドメインで「個性輝くブランドカンパニーになる」と宣言。食と飲という2つのドメインを担う同社は、それまでの既存事業に加えて、新たな柱として大豆・チルド事業を育てることが肝要だと判断した。

■大きな成長が見込める豆乳ヨーグルト市場

 以上のような経営判断を同社がした数字的根拠を示そう。まず、豆乳市場は500億円だと言われている。このうちの7割が、キッコーマンとマルサンアイの2社が占めている。豆乳に関しては2社が独占していることもあり、同社を含むその他の企業には厳しいものがある。

 しかし、同社が今後力を入れていきたいのは、豆乳ヨーグルトである。豆乳ヨーグルトの市場規模は30億円程度と豆乳に比べてはるかに小さいが、家庭用牛乳とヨーグルトの市場規模がほぼ肩を並べている状況から、同社は今後、豆乳ヨーグルトも豆乳並みの市場規模に成長するとみている。それに、豆乳ヨーグルト市場はトーラクが先駆者的存在であったことから、営業権を譲り受けた同社が現在、業界トップで、シェアは約7割にのぼる。

 同社はシェアトップの優位性を生かし、市場規模を大きくする効果的なマーケティング施策を推進していくことで、事業をさらに成長させることができると判断。まず、豆乳ヨーグルト市場を200億円規模まで拡大することを目指すという。そのためのロードマップとして、2017年にリニューアルを実施。認知度を高めるため、豆乳を乳酸発酵させたものであることを明確に伝えると同時に、コレステロールケアの重要性を訴求する。そして2018年以降は新商品を積極的に投入していき、市場を確立していく。

■まずは認知拡大に重きを置く

 同社が販売している『ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト』は、1997年にトーラクが開発したもの。以来リニューアルを繰り返し、2000年に特定保健用食品(特保)の認定を取得している。

『豆乳で作ったヨーグルト』は、ヨーグルトに合った豆乳でつくっているのが特長。臭みのある皮、胚軸を除去した大豆を高温で煮て、不快な味成分を追い出した後、すりつぶさず超微細にスライスして抽出する「新・クリアー製法」により、キレのあるクリアーな豆乳を製造。こうしてできた豆乳を4種類の乳酸機を用いて乳酸発酵させ、ヨーグルトにする。試食した印象では、確かに青臭さは感じられず、食べやすい印象を持った。

 発売開始から20年となる今年、2007年以来10年ぶりとなるリニューアルを実施したが、変更したのはパッケージのみで、中身は変更していない。パッケージを変更したのは、リニューアル前の『豆乳で作ったヨーグルト』を調査したところ、パッケージのイメージについて「どんな味か想像できない」「美味しそうじゃない」「地味なので見つけにくい」「豆乳であることがわからない」といったマイナス面の声が多かったことによる。今後、商品を成長させるには、パッケージデザインに関するネガティブな要素を取り除くことは不可欠であった。

 このようなことから変更されたパッケージデザインだが、ポイントが2つある。第1のポイントは、シズルの配置。それまでのデザインを踏襲しつつも、美味しさを訴求するために、上部にシズルを配置した。第2のポイントは、豆乳でつくったヨーグルトであることの訴求。以前のパッケージデザインでも豆乳でつくったことを謳っているが、フォントサイズにメリハリがなかったため、豆乳を使っているというせっかくの特長が大きく打ち出せていなかった。そこで、リニューアル後は〈豆乳〉のフォントサイズを拡大・強調。積極的に豆乳でつくったことを訴求するものにした。

 同社の調査によれば、『豆乳で作ったヨーグルト』を知っていた人は9.2%と低かったものの、初めて食べた人の87.8%が「美味しい」と回答したとのこと。一度食べてもらえれば「美味しい」と思ってもらえる自信があることから、今後は『豆乳で作ったヨーグルト』を知ってもらい食べてもらうことに重きを置いた販売戦略を実行していくという。「豆乳で、この美味しさ」というキャッチフレーズで店頭告知、試食販売、プレゼントキャンペーンを実施。豆乳を乳酸発酵させたものであることとコレステロールを低下させる機能を持っている特保であることの2つに対する理解を深めてもらいつつ、各種施策を展開し拡販につなげていく。

 豆乳ヨーグルトのリーディングカンパニーとして市場の発展を目指す同社の気合いは並々ならぬものを感じるが、本当の勝負は新商品を投入するとしている2018年度以降だろう。今年度は地ならしの意味合いが強いが、豆乳でつくられていることと美味しいことが十分に伝われば、市場の大幅伸張は十分に可能だと思われる。

文/大沢裕司

@DIME編集部

最終更新:7/25(火) 19:10
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