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Mr.Children、西野カナ、MISIA、illion、銀杏BOYZ…各ジャンル代表するスターの新作に注目

7/25(火) 13:00配信

リアルサウンド

 Mr.Children、西野カナ、MISIAなど、今週は人気アーティストのニューアイテムが一気にリリースされる。ガールズポップ、ロックバンド、R&B/ジャズ、さまざまなジャンルを代表するスターたちの注目すべき新作を紹介。

 映画『君の膵臓をたべたい』主題歌に起用されたMr.Childrenの新曲「himawari」は、感情の起伏をリアルに映し出すようなメロディを軸にしたミディアムナンバー。この楽曲のボトムを支えているのは、生々しさを増したバンドサウンドだ。2015年の『Mr.Children TOUR 2015 REFLECTION』、『Mr.Children Stadium Tour 2015 未完』、2016年の『Mr.Children Hall Tour 2016 虹』、2017年の『Mr.Children Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ』と、ここ数年、積極的なライブ活動を展開してきた4人。「himawari」の豊潤なグルーヴからは、様々なステージを通してギターバンドとしてのアイデンティティを再構築した彼らの現在地が力強く伝わってくる。もうひとつの新曲「忙しい僕ら」は、2015年11月の2マンツアーで披露されたナンバー。サウンドアレンジを担当しているのは、世武裕子。繊細かつ緻密なアレンジメントは、Mr.Childrenの音楽の新たな可能性を示唆している。

 8月から9月にかけて初のドームツアー『Kana Nishino Dome Tour 2017 “Many Thanks“』 (京セラドーム大阪/東京ドーム)公演を控えた西野カナのニューシングル『Girls』表題曲は<たまに人知れず泣いたりしても/自分で決めた道 諦めたりしない>というフレーズが心に残る“ガールズ応援歌”。デビュー以来、恋愛、友情などを軸にしながら、同姓に向けたエールを送り続けてきた西野カナの真骨頂とも言える楽曲に仕上がっている。作曲・編曲は「Best Friend」(2010年)、「会いたくて会いたくて」(2010年)といった初期の代表曲を手がけたGiorgio Cancemi。自らのアーティストイメージを決定づけたクリエイターと再びタッグを組んだことで彼女は“西野カナ”に求められていることを改めて実感したのではないだろうか? ひとつひとつの言葉に思いを込め、リスナーに手渡すようなボーカルも素晴らしい。

 世界のジャズシーンで活躍するトランぺッター・黒田卓也を迎えて制作されたMISIAのSoul Jazzアルバム『MISIA SOUL JAZZ SESSION』。昨年の『Blue Note Jazz Festival in Japan 2016』での共演をきっかけに実現した本作は“ロバート・グラスパー以降”の現行ジャズとリアルタイムで重なりながら、ソウルミュージック、J-POPのテイストを含ませた極めて高品質なボーカルアルバムに仕上がっている。「来るぞスリリング(feat.Raul Midon)」にはラウル・ミドン(シンガーソングライター/ギタリスト)、「運命loop(feat.Marcus Miller)」にはマーカス・ミラー(ソングライター/プロデューサー/ベーシスト)が参加。世界最高峰の演奏家による卓越したプレイとMISIAのソウルフルな歌声が生み出す有機的なケミストリーもこのアルバムの大きな魅力だ。急激な進化を続けるジャズとの邂逅は、MISIA自身にとっても重要なターニングポイントになりそうだ。

 昨年10月にリリースされた2ndアルバム『P.Y.L.』に映画『東京喰種トーキョーグール』主題歌「BANKA」を収録したillionの期間限定盤『P.Y.L [Deluxe Edition]』。「BANKA」とは挽歌、つまり、死にゆく者に対する哀悼の歌のこと。この曲の制作に対して野田洋次郎は「スクリーンの中でもがくすべての登場人物たちの未来に、わずかでも光がありますようにと願いながら」というコメントを寄せている。死ぬことを運命づけられた人々の存在を直視しながら<たとえこの身体も世界も 僕をかたくなに拒んでも/僕は明日を選ぶ>と語りかけるこの曲は、映画のストーリーに寄り添っているだけではなく、限りある生を与えられたすべての人に向けられた切実なメッセージであると言っていいだろう。ノイズ、ストリングスを交えたエレクトロトラックも、まるでこの世界のように不規則で、「BANKA」のコンセプトをさらに際立たせている。

 2017年10月13日に行われる初の日本武道館公演『日本の銀杏好きの集まり』に向けた、銀杏BOYZの3カ月連続シングルリリースの第一弾『エンジェルベイビー』は、ノイジーなギターサウンド、性急に突き進むビート、サビに向かってグングンと解放されていくメロディがぶつかり合う、(おそらくファンにとっては)“これを待っていた!”と快哉を叫びたくなるようなロックナンバー。<自意識と自慰で息がつまる頃/ラジオからロックが流れた>というフレーズに象徴される、ロックミュージックから受けた衝動をストレートに描いた歌詞にも激しく心を揺さぶられる。新たなアンセムとなること必至の「エンジェルベイビー」によって銀杏BOYZは、ついに次のピークに向かって進み始めることになるだろう。峯田和伸はやはりすごいと、改めて実感させられる名曲だ。

森朋之

最終更新:7/25(火) 13:00
リアルサウンド