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「基礎収支8兆円赤字」でも、バラマキしかしない安倍政権が痛々しい もうあまり多くを期待していないけれど

7/25(火) 8:01配信

現代ビジネス

楽観シナリオでも8.2兆円の赤字

 20年間にわたってくり返し挑戦してきた甲斐もなく、またしても、日本は国家目標の「財政健全化」に失敗しそうだ。

 7月18日、内閣府が経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)に示した「2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)」の見通しが、最も楽観的なシナリオでさえ、目標だった黒字に遠くおよばず、8.2兆円の赤字になるという惨憺たる内容になった。

 事態は深刻である。本来なら、長期国債市場の動きが、こうした局面で経済の先行きに警鐘を鳴らすバロメーターとなるはずだ。ところが、日銀による異例の金融緩和策の長期化により、国債市場が機能不全に陥っており、何ら反応しなかった。

 一方、米国では経済が力強く成長しており、FRB(米連邦準備制度理事会)はハイペースの利上げを継続する構えだ。そうなれば、ドル金利に引きずられて円金利が急騰したり、為替相場が混乱するリスクが、いつ現実になっても不思議はない。もちろん、そうした事態になれば、国民生活や企業活動に大きな影響が出るだろう。

 どこの家庭も無限に借金を増やせないように、国の借金にも限界がある。しかし、過去20年間をふり返ると、日本は財政が破たんし、未曾有の苦境にでも直面しない限り、本気で財政健全化に取り組むことも、財政再建が実現することもないように思われる。

性急過ぎた橋本政権の失敗

 PBは、財政の健全性を測る指標の一つだ。具体的には、社会保障、公共事業、教育など政策に必要な経費を、どの程度、その年の税収によって賄えているか示すものである。

 日本の場合、バブル期に税収の自然増が大きくなり、一時的(1986~91年度)に黒字化したことがある。

 が、1992年度以降は、バブル崩壊後の相次ぐ景気対策に加えて、少子高齢化に伴う社会保障費の増大によって歳出が膨らみ、財政赤字が拡大し、PBの赤字も恒常化してしまった。

 もちろん、財政赤字が膨らむなかで、政府も無策でいたわけではなく、PBの黒字化や財政健全化にくり返しチャレンジしてきた。

 最初の試みは、橋本龍太郎政権による「財政構造改革法」(1997年)の制定だ。法律で縛りをかけて財政健全化を目指すという発想は、当時の日本としては画期的なものだった。

 同法は、特例(赤字)国債に依存する体質からの脱却と、国と地方の財政収支赤字をGDP比で3%以下にすることを目標に掲げた。1997年4月の消費税増税(税率3%から5%への引き上げ)も、橋本政権が実施したものである。

 だが、この財政再建は性急過ぎた。消費税増税、所得税増税、社会保障負担増大、公共事業削減を一挙に行い、トータル13兆円に達する緊縮政策を採ったことで、日本経済そのものがマイナス成長に転落し、金融機関の不良債権問題を顕在化させてしまったのだ。

 1997年秋から翌年にかけて、三洋証券、山一証券、北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行と、金融機関が相次いで破綻した。

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最終更新:7/25(火) 8:01
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