ここから本文です

欧州に美味しい日本産米を届けたい!コメ輸出の“道”を考えてみた

7/25(火) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

● TPP頓挫の一方で進む EU(欧州連合)とのEPA

 米国トランプ政権で頓挫してしまったTPP(環太平洋経済連携)。一方で日本とEU(欧州連合)の間でメガEPA(経済連携協定)の話も進んでいる。

 最初のステップとして進められているのが、日本側が求める自動車と部品の関税撤廃、欧州側がバター、チーズをはじめとした乳製品の税率引き下げである。いずれの製品群も障壁がなくなれば、各々の自国産業への影響は計り知れないものが予想され、慎重な議論が時間をかけて進められている。

 そんな中、産経新聞が7月10日付で、EUが福島県産のコメに対する輸入規制を解除することを検討しており、今秋にも決定する見通しと伝えた。現在は、福島県産米の規制と共に、他県産米は「福島県産ではない」旨の産地証明書を添付しなければならない状況だが、これらの規制が解除されるとなると、日本のコメの輸出拡大に大きく貢献しそうである。

 もとより、日本食ブームに乗ってコメの輸出が行われるようになってきたが、現状は高価なブランド米を高級レストランや高級食材の販売店に向けたケースが主であり、輸出先も中国大陸の大都市、香港、シンガポールといった富裕層向け需要が期待できる地域に限られている。市場は富裕層と米飯食に慣れた地域に限られ、高価格の日本産と安価な現地産との競争に陥る市場で、大きな成長は期待できない。

 それだけに米飯食にそれほど馴染んでいない地域、とりわけ欧州への輸出を目指すのは、戦略的にも有効であろう。

● 東欧スロバキアで食べた 海外産米の寿司の味

 欧州各国では日本食レストランが年々増えており、旧社会主義の東欧諸国でも例外ではない。東欧諸国の中にはEU(欧州連合)へ仲間入りをした国もあるが、西欧の先進諸国との経済格差も著しく、豊かさを求め西欧諸国に移り住む人々も多数、移民問題も昨今のEU離脱の発端となっている。

 東欧諸国の街並みを見渡しても交通や商品市場や流通の仕組みが前近代的で遅れていることは否めないが、統合による人の行き来の自由化や観光ブームに乗って人的交流は増えており、西欧諸国からの影響による進化は所々に見られる。

 進化の一端とはいうわけではないが、東欧諸国においても日本食のレストランは少なからず、その存在感を増している。数年前、筆者がスロバキアの首都ブラティスラバを訪れた時、日曜日の昼食時に客であふれる日本食レストランに入店することができた。

 このレストランは寿司を看板としており、寿司職人と思しきシェフも客が見ている前で、堂々と慣れた包丁さばきで魚を切り分け、寿司を盛り付けていた。色鮮やかで鮮度も良そうだったので、刺身として食しても耐え得るものといえたが、残念なことにシャリすなわち寿司飯の質が悪く、寿司の美味しさが伝わって来ないことに不満を覚えた。

 恐らくあの日本料理店で使われていたコメは東南アジア、あるいはアフリカ、それとも北米などジャポニカ米が栽培されている地域から輸入したものと思われる。もし日本産のコメが使われたとしたら大幅な改善、おいしさの向上が見られたはずだ。そもそも輸入米だとしたら輸送費などを加算して、高い値段が付けられることになる。同じく輸入米なら日本からの輸出であっても同じ土俵に立てる可能性がある。

 そこで、日本産のコメについて、この東欧のスロバキア共和国への輸出の可能性を考えてみた。

1/3ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

週刊ダイヤモンド

ダイヤモンド社

8月12日・19日合併号
発売日8月7日

定価740円(税込み)

特集 制度改悪に備える
家族の介護
特集2 隠れ倒産急増!
危ない会社の見分け方