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4人家族が普通のアパートに住むために年収2000万円が必要!? ――深刻化するシリコンバレーの住宅事情

7/25(火) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

● 住宅価格は5年で72%上昇

 シリコンバレーとサンフランシスコの住宅問題は、解決策のないままここ何年も続いている。

 ほぼ10年前、この地域も景気後退で住宅バブルが破裂し、住宅価格や賃貸価格が大きく下がったのだが、そんなことはまるでなかったかのようだ。不動産会社のパラゴンによると、景気が回復に向かい始めた2012年から2017年までの間に、サンフランシスコ及びシリコンバレーの住宅価格は72%も上がった。もちろん景気崩壊以前よりも、ずっと高くなっている状態だ。

 サンフランシスコ市内では、ベッドルームが2室あるアパートの平均賃貸料は4189ドル。2ベッドルームと言えば家族3~4人が暮らせる広さだが、地元の物価などを考慮すると、この家賃を払うのには何と17万9529ドル(約2009万円)の年俸が必要となるという(資産管理データ会社スマートアセット調べ)。普通の人々には、到底手の届かない額だ。

 教師や大工など、テクノロジー企業に勤めているのではないごく普通の職業の人たちが、家賃の上昇でアパートや住宅に住むことができなくなり、遠方へ引っ越していったり、あるいはホームレスになったりする話は、ここではもう珍しいことではなくなった。

 実際、最近サンフランシスコ市内を歩くと、ホームレスが街に溢れているのが目につくし、南のシリコンバレーでもホームレス人口がじわじわと増えている。路上に駐車したキャンピングカーで生活を続ける家族も少なくないようだ。

 ところが、テクノロジー企業に勤める人々ですら、人気のサンフランシスコ市内に住むのは厳しい状況になっており、会社へ家賃補助を申し入れたとか、市内の建物に40人がシェアハウス風に住めるようなサービスが出てきているといったことが聞こえてくる。

● 対策を打ち出す グーグルとフェイスブック

 そうした中、フェイスブックやグーグルが、社員のための住宅を建設する計画が明らかにされている。住宅や交通問題をいくらか緩和するのに貢献すると期待されるものの、評価は分かれている。

 グーグルは、3000万ドルを投入して、シリコンバレーに住む社員300人のためにプレハブ住居を提供するという。プレハブのため建設費が安く、家賃も手頃になる見通しだ。

 一方フェイスブックは、先ごろ大掛かりな街づくりの計画を発表した。本社に隣接する広大な土地に1500戸の住居を建設し、それ以外にも小売店、スーパーマーケットなど、生活に必要な機能も盛り込まれる。地元のコミュニティーにも開かれた企業村となるようだ。

 また、住居のうち15%は市場標準より低い適正価格で貸し出され、社員以外の人々に提供されると予想されている。普通に捉えると、店員や清掃など地元サービス業に従事する人々がその対象となるだろう。

 そもそもテクノロジー企業は、住宅費高騰や住宅難問題を引き起こした元凶として非難されることが多い。こうした計画を発表することは、少しでも問題を緩和する役割を果たすだけでなく、好印象も与えるだろう。

 住宅問題の原因としては、地元の建設制限の厳しさも指摘されており、テクノロジー企業だけが原因ではないものの、これだけの急速な人口増を引き起こしているのは、テクノロジー経済に他ならない。

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