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金融株が日経平均を2万1000円へ押し上げる

7/25(火) 20:01配信

会社四季報オンライン

 日本の株式相場は気迷いムードの強い展開。日経平均株価は2万円前後でのモミ合いが続いている。今後の相場の行方をしんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長に聞いた。

 ――日経平均は膠着状態に陥った感があります。

 米国金利の方向感が定まらないのが一因だ。もっとも、先行きについてはポジティブに見ている。足元は同国景気の強さを示す指標が見当たらず、「利上げ路線が定着する」との確信を市場が抱いていない。これを受けて、外国為替市場のドル・円相場も1ドル=110~114円のボックス圏で推移している。

 同国の新車販売の落ち込みなども気になるところ。金利が今後たとえ緩やかなペースでも上昇すれば、悪影響は避けられない。だが、「失速」しているわけではなく、頭打ちぎみで徐々に鈍くなっているという程度。住宅は6月の着工件数が4カ月ぶりに前月比プラスになるなど底堅い動きだ。

 失業率も低水準で、賃金も小幅ながら伸びている。賃金の低いサービス業への従事者が増えるなど構造的に賃金の上がりにくい状況だが、仕事があって賃金も受け取れるのであれば個人消費には決してマイナスに働かないはずだ。

 ――米国連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は12日の議会証言で、バランスシートの縮小を急ぐ一方、利上げには慎重な姿勢を示しています。これを受けて株価は上昇しました。マーケットはいったい、どう受け止めたのでしょうか。

 イエレン議長が言っていることは従来と変わっていない。マーケットは「利上げに対して前向きな発言をするのではないか」と事前に想定していたが、議会証言を「さほど“タカ派”的な内容ではなかった」と解釈した。

 ――となると、利上げの継続は米国株にとって逆風なのでしょうか。

 むしろ、その逆だ。「利上げで金融引き締めの色合いが濃くなれば、米国株は終わり」との論調もあるが、ちょっと違う。引き締めにカジを切るのは実体経済の強さの表れ。ITバブル時にも金利上昇で株価がただちにピークを打ったわけでなく、しばらく値上がりが続いた。今回も、米国株に一段の上値余地があると思う。

 「米国景気拡大の足取りはしっかりしている」といっても、好景気が実感できるようになったのはここ2~3年のことだ。FRBがリーマンショック後の量的緩和策(QE)を経て利上げに踏み切ったのは15年12月。今考えれば、時期尚早だったといえる。実際、翌16年1月に米国株は急落を演じた。リーマンショックの傷が癒え、FRBが金融政策の正常化へ動き出してから日が浅く、現在の「好況」の度合いはショック前と大きく異なる。

 イエレン議長も利上げペースは緩やかなものになると明言している。経験則に照らして、「金融引き締めで短期金利が急速にハネ上がって長短金利が逆転したらリセッション入り」といった悲観的な見方もあるが、簡単に逆転するとは考え難い。

 たとえ緩やかでも米国の金利が上昇すれば、ドル安円高につながるため日本株にもプラス。こうした状況は再来年ごろまで続くだろう。

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