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危険な企画「文庫X」はなぜ共感をよび、全国650以上の書店に広がっていったのか? 仕掛け人が語った

7/25(火) 6:30配信

ダ・ヴィンチニュース

 岩手県盛岡市を中心に10店舗ほど展開する「さわや書店」の書店員が仕掛け、大きな話題となった「文庫X」。それは、

・値段が税込で810円であること
・ノンフィクションであること
・500ページを超える作品であること

 という3つの情報のみ、購入前に私たち読者に与えられるという企画だ。本はただならぬ雰囲気の手書きカバーに包まれビニールでシュリンクされ、決して中を覗くことはできない。あなたならこれを手にとるだろうか?

 仕掛けた本人も“売れるはずがない”と思っていた「文庫X」。それがどうだろう、最終的に47すべての都道府県にある650以上の書店で展開されるまでになった。「ネット書店」では買えない、全国でたった5%の書店でしか入手できないという“読みたいけど手に入らない”状況が好循環を生み、「文庫X」を展開する書店にさらなる追い風が吹く。全国紙をはじめ、マスメディアに取り上げられたことで「文庫X現象」は大きく加速した。ネタバレはほとんどなかったという。

 この現象は、地方の一書店から発信された企画としては驚くべき影響力といえる。さわや書店は、これまでにも絶版寸前だった『天国の本屋』(松久淳、田中渉/かまくら春秋社)を仕掛け映画化にまで押し上げたり、『思考の整理学』(外山滋比古/筑摩書房)の200万部達成の火付け役となったり、『永遠の0』(百田尚樹/講談社)を見出し大ベストセラーに導いたりと、出版業界で数々の伝説を作り上げてきた知る人ぞ知る書店だ。

 そして7月7日、「文庫X」の仕掛け人・長江貴士氏がヒットに至るまでの道のりとアイデアの秘訣を分析し、本人の半生を踏まえた上で、「先入観」を捨て、「常識」に囚われず生き抜く力についてを綴った『書店員X 「常識」に殺されない生き方』(中公新書ラクレ)が出版された。ここで、7月18日に三省堂書店 神保町本店(東京都千代田区)で開催されたトークイベントの内容を紹介しよう。当日は、長江氏とさわや書店フェザン店店長で2年前に『まちの本屋』(ポプラ社)を上梓した田口幹人氏をゲストに迎え、三省堂書店の新井見枝香氏が聞き役として参加した。

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