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理屈抜きのカッコよさには理由がある!? トヨタ・カムリが目指したデザインの調和とは?

7/25(火) 12:55配信

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「理屈抜きにカッコいいセダンを作りたかった」という新型カムリ。低く幅広いボディに引かれた何本ものラインが、その勢いを作ってるかのようです。今回はその「線」に込められた意図をデザイナーに聞きました。

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── まず、フロントフェイスから伺います。ランプ内のグラフィックやアンダーグリルでは多層的な表現が印象的ですが、ここまで多くの線を引いた意図は?

「TNGAで実現した低重心をより強調するため、セダンでは例外的に大きなグリルを全幅いっぱいに置きました。細いラインは、その大きな塊に手の込んだ細工をすることで、カムリの持つ車格感を表現するためなんです」



── ボンネットには4本のラインが引かれていますが、左右の2本だけでは足りませんか?

「今回、先代比でフードを40ミリ下げたのですが、エンジンとの間隔は非常にタイトですから、両端のラインだけだと中央に張りが出せずペナペナになってしまう。そこでセンターにブレークラインを引いて立体感を出しているんですね」



── サイド面では、前後のブリスター風フェンダーを、1本の強いラインが突き刺すように走っていますが、なぜこうした組み合わせに?

「ラインがフェンダーに溶け込んでしまうと、単に鉄アレイのようにそこで完結してしまう。で、あたかも鉄材を前後のフレアに押し付けるようにすることで、より低く、かつ前後に抜ける伸びやかさを表現したかったのです」



── サイドには、もう1本斜めに走るラインが走っていますが、これはまた別の意図ですか?

「ボディの低い位置にラインを引き、あたかも梁のような強い立体を前後に走らせることで、より低重心を強調できます。さらに、ホイールを貫通することでタイヤが大きく見えるんです」



── リアピラーに引かれたラインも、かなり特徴的です

「グローバルセダンとして、後席の居住性の確保は必須ですから、ルーフ後端は下げられない。そのままだと箱っぽく見えてしまうので、後ろへ強く引っ張るようなラインを引き、エモーショナルな表現としたのです」



── では最後に。ボディに多くのラインを引くと、勢いが出る一方、ビジーな表現になりがちです。今回は、その点の兼ね合いをどう考えましたか?

「実は、開発途中では社内からもビジーだという声があったんです(笑)しかし、すべての線を整理してハーモナイズさせた最終段階では、そうした声はなくなった。つまり、線が多くても必然性があればシンプルに見えるし、美しくもなるということです」

シンプルか、ビジーか。マツダはCXー5で引き算のデザインを掲げましたが、美しいクルマへのアプローチはさまざまです。カムリの取り組みは、その回答のひとつを見い出せたのかもしれません。

[お話を伺った方]

トヨタ自動車株式会社・MSデザイン部 グループ長
久保田 憲 氏



(すぎもとたかよし)

最終更新:7/25(火) 12:55
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