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なぜ? 他国でベスト10にも入らないブランドが大人気 英のブランド通販が日本に注目

7/26(水) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 高級ブランドのインターネット通販を手掛ける英ファーフェッチ(Farfetch)が攻勢を強めている。2008年設立とまだ若い企業だが、伊グッチなど200ブランド、世界のセレクトショップ約500店と組み、顧客数は約160万人に上る。アジアでは中国の通販大手と資本提携する一方、日本でもさまざまなサービスを仕掛ける。ジョゼ・ネヴィス最高経営責任者(CEO)に現状と今後の展開について聞いた。

 ――日本の顧客をどう見ていますか。
 「日本はメンズファッションの顧客が多いのが特徴だ。世界では3分の2が女性、3分の1が男性のユーザーだが、日本では45%を男性が占めている」
 「平均購買単価は約700ドル(約7万7000円)で平均年齢は37歳。所得の比較的高い層に支持されていると思う。売り上げ構成は66%がアパレル関連、22%が靴、その他が12%となっている。日本で人気があるのは仏サンローラン、仏ジバンシィ、米トム・ブラウンの3ブランドだ」
 ――サンローラン、ジバンシィは老舗の有名ブランド。トム・ブラウンは「アメリカントラディショナル」を用いたスーツなどで知られています。
 「トム・ブラウンは他の国では人気ベスト10にも入らないだろう。日本だけの特徴であり、少し驚いている。ブランドのスタイルが日本人に合うということを、よく見ていると思う」
 ――中国市場はファーフェッチの売り上げの1割以上を占めているそうですね。今後の日本市場をどうみていますか。
 「市場自体は中国の方が約3倍だが日本には潜在的な需要があると考えている。日本の顧客層はファッションへの造詣が深く、洗練されている印象を受ける」
 「顧客サービスに対する要求レベルが高いのも日本の特徴だ。日本の顧客は購入する前に、できるだけ多くの情報を詳細に知りたがる傾向にある。常にサービスを拡充してきたが、顧客満足度に関しても厳しい点を付けてくれる(笑)。韓国については日本法人からの応援で対応している」
 ――日本発ブランドについてはいかがですか。
 「日本では『エストネーション』や『リステア』など20のセレクトショップ、『ユリウス』『アタッチメント』といった17ブランドと提携している。日本発のブランドをファーフェッチのプラットフォームを通じて米ニューヨークの顧客でも簡単に購入できる。クラフトマンシップ(職人の技量)に優れ品質の高い日本のブランドでも、国際的にはまだよく知られていないものもある。今後も新規開拓に力を入れる」
 ――ファッションブランドの世界市場は1桁の伸びだが電子ビジネスに限ると2割近く成長しているといいます。ファーフェッチの日本での売り上げ目標は。
 「売り上げは公表していない。しかし14年に設立してから日本法人の売り上げは前年比100%以上で伸びており、国際的な広がりもあって今後も期待できる。特に男性の顧客にオンラインでの購入に抵抗がないのが国際的にも見て取れる。メンズファッションは今後も伸びていくと思う」
 ――有名ブランドの商品を迅速に顧客に届けるサービスを始めました。電子データを利用した実店舗での新サービスも秒読みに入っています。
 「今春からはグッチの商品を注文から90分で手元に届けるサービスを世界10都市で始めた。東京でもスタートし、予想以上に好調だった。今秋からほかのブランドなどにも拡大していく計画だ。宅配業界の人手不足のなどの問題が起きていると聞くが、弊社に値上げ交渉は受けていない」
 「今秋からファーフェッチのアプリをロンドンやニューヨークの実店舗で使うサービスを始める。入店する際にスマホをかざすと顧客が試着したい商品情報が自身の端末に表示され、アプリで決済できるなど、便利になる。店舗側もアプリを使って来客の購買履歴などの情報を見られる」
 ――実店舗との連携強化を進めています。アジアで買収計画などはありますか。
 「考えていない。あくまでプラットフォームを世界の購買者に提供するのがファーフェッチの使命だと思っている」
(聞き手は松本治人)

最終更新:7/26(水) 7:47
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