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まさに究極の内弁慶は広島ではなくヤクルト

7/26(水) 11:40配信

週刊ベースボールONLINE

 2位の阪神に9ゲーム差で、セ界の首位を独走する広島カープ。9月早々にも優勝を決めてしまいそうな勢いだ。投打を見れば、リーグ2位のチーム防御率3.21はさほど圧倒的数字ではないが、チーム打率はダントツ1位の.281、得点も2位のDeNAに114点差をつける484。足も絡めながら、打ち出したら止まらない強力打線が快進撃の原動力であることは間違いない。

 ただ、多くの解説者は「今年の広島には、ここまで走る力はない。あのチームがだらしないからでしょう」と口をそろえる。ご存じのとおり、あのチーム=巨人である。

 対戦成績を見ると2位・阪神、3位・DeNAには7勝7敗と勝ち越せていないのに、4位・巨人には11勝3敗。下位に取りこぼししないのが優勝チームの条件と言われ、歴代のVチームを見ても“弱い者いじめ”を徹底していることが多いが、あれだけの補強をし、あれだけの戦力を持つ今年の巨人が果たして“弱い者”なのか……。情けないとしか言いようがない。

 対巨人への強さに加え、今年の広島の特長は“内弁慶”にある。マツダ広島では31勝12敗で勝率.721(全体での勝率は.644)。あの大声援がどれほど選手の力になっているか分かる数字だ。ただ、これは逆にビジターでは勝率が落ちるということでもあり、特に相手本拠地となると、もはや“弱い”と表現しても言い過ぎではない数字になっている。

 甲子園球場3勝6敗、横浜スタジアム2勝3敗、ナゴヤドーム2勝3敗、神宮球場4勝4敗。どの球場でも勝ち越しがないのだ……いや、違う。東京ドームだけは6勝0敗だ……。

 このうち2球場での負け方にはパターンがあり、ナゴヤドームでは打てない(対中日打率.291、ナゴヤドーム.229)、横浜スタジアムでは抑えられない(対DeNA防御率3.89、横浜スタジアム7.29)。マツダでの戦いのように投打がかみ合っているわけではない。

 これらを見ていくと、他チームにも付け入る隙はいくらでもありそうだが、現実には9ゲーム差。まだ、50試合以上残っているから何が起こるか分からないが、このまま終わるなら広島独走の戦犯(広島からは功労者)は、間違いなく、巨人である。

 なお、本拠地の勝率が全体より高いのは、広島を含め4チーム。阪神の甲子園.561(全体.541)、中日のナゴヤドーム.535(全体.448)、そしてもっとも差が大きいのは、実はヤクルトで全体では.337ながら、神宮では18勝18敗の.500。広島以上の内弁慶となっている。ヤクルトファンにすれば、「君たちはやればできるんだから、ほかでも、もう少し頑張ってよ」と言いたいところだろう。

※データはすべて7月24日時点

写真=内田孝治

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