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伊藤忠商事・環境教室でアマゾンマナティーの保全を啓発

7/26(水) 17:59配信

オルタナ

伊藤忠商事は7月25日、小学生を対象にした「夏休み環境教室」を開いた。当日は、同社社員の子どもと港区内の小学生約100人が絶滅の危機に瀕しているアマゾンマナティーの生態系や温度と空気の関係性について学んだ。(オルタナS編集長=池田 真隆)

1992年から開催し、今年で26年目となる環境教室では、生物多様性と気候変動について子どもたちに教えた。生物多様性に関しては、アマゾン川に住むアマゾンマナティーの生態系について説明した。地球で唯一の草食性水生哺乳類であるマナティーの一種、アマゾンマナティーは、アマゾン川のシンボルともいえる動物。

過去、工業用途として乱獲されたことで、国際自然保護連合(IUCN)から絶滅危急種として指定されている。危急種の定義は絶滅危惧種の一歩手前で、絶滅の可能性が高い種に与えられる。

伊藤忠商事では2016年から環境保全の一環として、保護したアマゾンマナティーを野生へ復帰させる取り組みなどを支援している。ブラジルにある国立アマゾン研究所と京都大学野生動物研究センターが行う、保護したアマゾンマナティーをアマゾン川上流のプルス川に放流する活動に対して、同社は3年間で1500万円を拠出した。

当日のゲストとして、京都大学野生動物研究センターから菊池夢美氏が登壇した。菊池氏はアマゾンマナティーの研究を行う第一人者である。

菊池氏は、アマゾンマナティーが絶滅の危機に瀕している背景について、「乱獲や密猟がある」と説明した。1935年から1954年にかけて、約4000~7000頭が乱獲された。アマゾンマナティーの皮膚は硬く、工業用製品として需要があったからだ。絶滅危急種として指定された後も、食用として密猟されることは続いているという。

菊池氏は、アマゾンマナティーの保全は遅れていると明かす。その理由は、アマゾン川特有の濁り。「肩まで腕を入れると、目視することはできない」(菊池氏)。

そのため、川の中に入らないとアマゾンマナティーを見つけることが困難で、「何頭生息しているのかも正確には分からない」と言う。さらに、保護した後に放流しても、追跡調査をしていないことが多く、無事に野生復帰できているかは不明だ。

同研究所では、放流後の動きも追跡するため、尾ビレと背中に「データロガー」と呼ばれる装置を付けている。これによって位置が把握でき、行動範囲や就寝時間などの行動パターンをデータ化することも可能になった。

絶滅の可能性が高いアマゾンマナティーを保全していくために、「まずはアマゾンマナティーの状況を理解すること、そしてどうしたらいいのか考えたことを周囲に伝えていくことが大事」と子どもたちに伝えた。

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最終更新:7/27(木) 13:19
オルタナ

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