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義足の女子ジャンパー前川楓が「あの名選手」の助言で掴んだ銀メダル

7/26(水) 17:01配信

webスポルティーバ

 7月14日からロンドンで開催されていた世界パラ陸上競技選手権大会。最終日の23日、右大腿義足の前川楓(チームKAITEKI)が女子走り幅跳び(T42/大腿切断など)で3m79を跳び、銀メダルを獲得した。

【写真】東京パラリンピック22競技

「4mを目指してやってきたので、悔しい部分もある。でも、リオ(パラリンピック)では4位(3m68)。そこから考えるとよかったと思います」

 試合は18時、激しい雨の降るなかで始まった。6選手中、2人目に登場した前川の1回目はファウル。ピット脇で見守るコーチと話し、スタート位置を10cm後ろに下げて調整した。2回目もスピードに乗り大きなジャンプを見せたが、またもファウル。もう一度、スタート位置を下げたが、3回目もファウルに終わった。

 一方、優勝したマルティーナ・カイローニ(イタリア)は1回目から4m62の大ジャンプを見せ、他の選手も3m前半ながら、着実に記録を残していた。

「とにかく、記録を出そう」

 前川は冷静にこの日のジャンプを分析し、反発力の強いトラックで、助走のストライドが思った以上に伸びてしまっていることに気づく。

 似たような状況に陥った7月初旬の国内大会での経験を思い出し、「スタート位置はそのままで、脚をちゃんと引いて走ることを意識しよう」と決めた。

 そうして挑んだ後半戦。雨も小降りとなり、天候が回復するにつれ、前川の記録も上り調子になる。4回目に3m43を跳ぶと、記録なしの最下位から一気に2位に躍り出た。5回目も3m61と延ばし、本人も一番手ごたえがあったという6回目のジャンプは3m79。2位のままで自身の試技を終えると、身体が冷えないように日本代表ジャージを羽織り、ベンチに座って戦況をじっと見守った。

 残り5人の試技が終わり、銀メダルが確定すると、前川の笑顔が弾けた。スタッフから日の丸を渡され、背中に掲げて大きくポーズ。フォトグラファーの要求に何度も応えた。金メダルのカイローニから抱擁を求められたときは、「信じられなくて。でもうれしかった」。メダリストになった実感が沸いてきた。

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