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円谷プロの憂鬱。中国版ウルトラマンは合法かも? --- 宮寺 達也

7/26(水) 16:01配信

アゴラ

突然であるが、私はアニメ・特撮が大好きだ。

私が好きな作品のジャンルは多岐に渡るが、最も長く愛しているのがウルトラマン(http://amzn.to/2uPqSdc)である。小学生の頃に父親に連れられて借りたレンタルビデオをきっかけにどハマりした。

さて、そんな愛すべきウルトラマンが中国企業にパクられようとしている。

ネットで話題になっているのでご存知の方も多いだろうが、中国のCG会社「広州藍弧文化伝播有限公司」がウルトラマンを利用した映像作品「鋼鐵飛龍之再見奧特曼」(ドラゴンフォース さようならウルトラマン)の製作を発表した。

まあ「威力棒Vii」とか「ガンガル」とかいつもの通り、中国企業の違法なパクリと思った人がほとんどだろう。だが、ウルトラマンに限っては話はそう単純では無いのだ。

海外におけるウルトラマンの著作権には複雑な事情があり、円谷プロは長きに渡る裁判戦を強いられ、疲弊している。そう、地球を狙って侵略してくる宇宙怪獣と戦い続けるウルトラマンのように。

中国版ウルトラマンは正式な著作権契約を結んでいる

7月10日に北京で中国のCGアニメ映像制作会社「広州藍弧文化伝播有限公司」が、「鋼鐵飛龍之再見奧特曼」(ドラゴンフォース さようならウルトラマン)という映像作品を発表した。

しかし、「お前、猪木か?」と言いたくなるしゃくれ過ぎたアゴが特徴のダサいフォルムに、日本はもちろん中国のネットユーザーからも「権利を守る行為を支持する」「権利侵害行為は恥ずべきこと」「これは日本企業の味方をするわ」「他人の成果を盗んじゃいけないのは当然のこと」と批判の嵐である。

ウルトラマンの産みの親である円谷プロは7月19日、

“本件発表について、当社は一切関知しておらず、本件映像作品は当社の許諾・監修等なく製作されているものです。また、当該発表会及び映像におけるウルトラマンキャラクターの利用方法、態様等は、ウルトラマンブランドを著しく毀損し、断固として非難すべきものであり、到底認められるものではありません。

一部報道等のとおり、ウルトラマンシリーズの初期映像作品(「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」「ウルトラマンエース」「ウルトラマンタロウ」)に関する日本国外における利用権の取り扱いに関しては、長期間に亘り、複数の国において係争が続いております。もっとも、これまでに出されたいずれの判決においても、一貫して、当社がすべてのウルトラマンシリーズの製作者であり、その著作権を保有している点が認められております。

また、本件映像作品のような新規著作物の製作、ウルトラマンシリーズキャラクターの翻案・改変等の権利は当社のみに帰属するものです。

上記を受け、当社といたしましては、あらためて本件発表を行った中国企業、および本件映像製作に関与している者に対し法的措置を含む断固とした措置をとってまいる所存です。”

と強い口調で中国のCG会社を非難するプレスリリース(http://www.tsuburaya-prod.co.jp/pressrelease/170719-ultraman/)を出した。

しかし、中国のCG会社は「正式な著作権契約を結んでいる正当なウルトラマン作品だ」と主張している。そして、この主張が無視できないのだ。

中国のCG会社が著作権契約を結んだ会社は日本企業のユーエム社であり、「ウルトラマンシリーズの海外における著作権を、円谷プロから譲渡された」となっている会社なのだ。

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最終更新:7/26(水) 16:01
アゴラ

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