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自動車レースへの参加が、会社の若さの証明になる(前編)

7/26(水) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 カレラカップジャパンはポルシェによる自動車レース。自分で走るレースとして近年とくに人気が高まっている。楽しみというより本気度が高い、と参加者は言う。

● 父親のすがたを見てレースを始めるきっかけに

 いまは自動車だけ売っていればいいという時代ではない。かつてある高級スポーツカーメーカーの社長がそう言っていた。

 ここで紹介するレースのように、顧客をいかに楽しませるかが大事だそうだ。それを“経験を売る”などと表現する。

 ポルシェ・カレラカップジャパンを観ていると、そのことが理解できる。参加しているひとたちの誇らしげで楽しげな顔が、なによりの証明だとかんじる。

 ここで取材した内山清士さん(41歳)はカレラカップのレースを始めて2017年で3年めになる。きっかけは父親がやはりポルシェで「964の頃のカレラカップ」に出走していたためだという。

 「高校生のときレースをしている父親の真剣な様子を見ていて、いずれ自分もやりたいと思ってきました」

 快晴のレース場で会ったとき内山さんはそう語った。パドックといってレース出走前の車両の調整を行う場所では、内山さんが代表を務める「エヌケーレーシング」のゼッケン25番のポルシェ911が。メカニックが入念に車両の最終点検を行っていた。

 カレラカップはワンメイクレースといい、参加者は同じ条件でのレースが義務づけられている。

 市販の911をポルシェ本社がレース用にチューニングしたのが911GT3カップ。

 費用もそれなりにかかる。 

 カップカーと通称される車両は新車だと約2000万円。レースにエントリーするのに350万円。加えてメカニックなどスタッフへの支払いや車両の運搬や、さらにレースで好成績を出すためにも出費が必要となる。サーキットで日頃から練習をしなくてはならないからだ。

 クルマを使った楽しみとしてクラブレースというのがある。自動車メーカーがしのぎを削るレースではなく、走ることじたいを楽しむ趣味的なもの。クラシックカーなどは同好の士が集まって、小さなサーキットで週末の走行会を催している。

 それに対してポルシェ・カレラカップはもっと本格的だ。

 「トヨタ・ヴィッツや同86のワンメイクレースはまだ〝楽しむ〞という要素が強いようですが、カレラカップでいい成績を残そうと思ったらかなり真剣に走らないといけないんです。レース用の車両の性能もかなり高いので、やってみるとお遊びといえないことがわかると思います」

 内山さんの言葉どおり、実際に観戦すると真剣さがひしひしと伝わってくる。場所はF1グランプリが開催されたこともある富士スピードウェイだった。

 コーナーでのラインのとりかたをはじめ、加減速のタイミング、すれすれのところで相手をかわす見切りの技術など、とうていお遊びレースとはいえない内容の濃いものなのだ。

 内山清士さんはこのとき、カレラカップジャパンの2つあるカテゴリーのうちジェントルマンクラスでみごと2位入賞。

 ちなみにもう一つのカテゴリーはオーバーオール。プロのドライバーが核になるクラスだ。仕事をやりながらレースを楽しむジェントルマンクラスのエントラントたちだが、レースではそのプロに肉薄するのが見どころなのだ。

 14歳からカートレースをはじめ、全日本F3選手権を3年間戦うなどした内山さん。経験と腕前が名誉の2位をもたらしたのだ。

 後編へ続く

写真=望月浩彦 文=小川フミオ

小川フミオ

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