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トランプ政権“ロシアと密談”発覚、窮余の策で対外強硬化の懸念

7/26(水) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 発足から半年を迎えたトランプ政権を「ロシア疑惑」の暗雲が覆う。

 トランプ大統領の長男や娘婿で上級アドバイザーのジャレッド・クシュナー氏が、大統領選(予備選)の最中の2016年6月9日に、「ヒラリー(クリントン)を追い落とす情報を持つ」というロシアの弁護士と面会していたことが、新たに発覚した。トランプ陣営の中枢の“関与”が明らかになったことで、「ロシア疑惑」はこれまでとは違う新たな局面に入った。

 クシュナー氏は24日、米議会で証言し、「ロシアと共謀したことはない」と弁明した。ロシアとの「接触」すら否定してきたトランプ陣営は、いまは接触を認め、「共謀はしていない」と弁解するまで後退している。疑惑追及への防戦でトランプ政権は身動きが取れなくなる事態もあり得る。とりわけトランプ政権の要ともいえるクシュナー氏の職務遂行にはかなりの逆風になりつつあり、今後のトランプ政権の行方に少なからぬ影響を与えそうだ。

● 「ヒラリーを追い落とす情報なら素晴らしい」 「ロシアのトランプ氏への支援の一部だ」

 クシュナー氏の議会証言の焦点になったのは、7月に入って明らかになったトランプ陣営とロシア側の「会合」。

 2016年の米大統領選の予備選の最中の6月9日、、トランプ陣営の中枢にいた長男のドナルド・トランプ・ジュニア氏がロシア人の弁護士と、トランプタワーで面会していたことだ。トランプ氏が、大統領選で共和党の予備選を勝ち抜き、共和党候補としての指名を得ることをほぼ確実にしていた時期だった。

 衝撃的だったのは、「6月9日の会合」の1週間前、面会をセットしていく際の6月3日、仲介者の音楽プロデューサーとの間で交わされた以下のメールのやりとりだ。

 ロブ・ゴールドストーン氏(音楽プロデューサー) 「ロシアの検察官のトップが、ヒラリーを犯罪者にできる公式の資料や情報をトランプ陣営に提供することを提案してきた。あなたのお父さんにとって大変有益だと思う。これは、明らかに非常にハイレベルで、センシティブな情報であり、ロシアとロシア政府によるトランプ氏への支援の一部だ」

 トランプ・ジュニア氏 「それが、あなたが言うようなものなら、アイ・ラブ・イット(素晴らしい) if it’s what you say I love it」

 そしてトランプ・ジュニア氏は、約一週間後の6月9日、ロシアの弁護士、ナタリア・ベセルニツカヤ氏と会った。

 当時、すでにトランプ氏は大統領選の本選をにらんで、は民主党候補のクリントン氏を本格的に攻撃し始めていたころに重なる。

 今回、明らかになった「6月9日の会合」は、トランプ陣営のメンバーが、大統領選に介入しようとしていたロシア側と接触していたことを示す初めての具体例だ。トランプ陣営と、ロシア政府関係者との間で「接触」があったことは、米中央情報局(CIA)のジョン・ブレナン前長官の5月の議会証言で明らかになっているが、具体的な会合が明らかになったことはこれまではなかった。

● トランプ陣営の中枢と ロシア側との接触が明らかに

 何よりも、大統領の息子であり、陣営の中枢に位置している人物が、ロシア側と会っていたことが明るみに出たのは驚きだった。

 「ロシア疑惑」でこれまでは、外交アドバイザーだったカーター・ページ氏(Carter Page)といった、いわばトランプ陣営の外縁部の人物がロシア側とやりとりしていた可能性が指摘されてきたが、いきなり陣営の中心にいた人物が関わっていたことが明らかになったからだ。

 これまで全面否定していたロシア側との接触が、家族であり側近中の側近のジュニア氏の関与という形で明らかになったことは、トランプ大統領にとってはかなりの痛手といえる。

 これまでトランプ大統領は一貫して、ロシア疑惑について、「フェイクニュースだ」「魔女狩りだ」と全面否定を続けてきた。トランプ陣営内の人物が、ロシア側と接触していた可能性についても、「全くない」と強弁を続けていた。

 しかし今回の長男とロシア人弁護士の会合の発覚を受け、7月12日、ロイター通信のインタビューで、多くの人が(似たような状況に直面すれば)同じようにミーティングをしていただろう」と息子を弁護。だが、ロシアとの接触さえ「フェイクニュースだ」とうそぶいていた勢いは、今はなくなっているように見える。

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