ここから本文です

哲学者・千葉雅也「考えを冷蔵庫に寝かせる」ことが大切

7/27(木) 7:00配信

NEWS ポストセブン

【今回紹介する書籍】『思考の整理学』/外山滋比古・著/ちくま文庫/本体520円+税

【著者プロフィール】外山滋比古(とやま・しげひこ)1923年愛知県生まれ。お茶の水女子大学名誉教授。英文学者、評論家、エッセイスト。『知的な老い方』(だいわ文庫)、『新聞大学』(扶桑社)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社文庫)など著書多数。

 近年、東大・京大で最も読まれている文庫本が、思考の方法について綴ったエッセー、外山滋比古著『思考の整理学』(ちくま文庫)。1983年に刊行されて以来売れ続け、昨年累計200万部を突破した、大学生やビジネスマンのバイブル的な本である。

 一方、今春刊行され、同じく今東大・京大で最も売れている単行本が、千葉雅也著『勉強の哲学来たるべきバカのために』(文藝春秋)。〈勉強とは、自己破壊である〉に始まり、勉強の本質を原理的に深く考察し、その実践手法まで紹介した本だ。

 気鋭の哲学者はロングセラーのバイブルをどう読むか。また、〝知的武装術〟の本や歴史本のブームをどう見るか。

(インタビュー・文 鈴木洋史)

──『思考の整理学』を読んだ感想はいかがですか。

千葉:学部生の頃か院生になったばかりの頃に初めて読み、その後も手に取ったことがありますが、当時は今ひとつ内容に実感が湧きませんでした。若い自分はシャープに、図式的に方法論を示してほしいのに、これは達人の大家が方法ならざる方法を書いた、和風というか東洋的というか、フワッとしたエッセーですから。しかし、今読むと言いたいことがわかるし、味わい深い本だと思います。

──そのように変わった理由は?

千葉:外山さんが示す方法論的核心のひとつは、常に能動的に思考し続けるのではなく、ときには思考を「放っておく」「寝かせておく」「忘れる」ことが大切だ、そうすると何かが発酵するように新しい考えやブレークスルーするアイデアが浮かぶ、ということです。

 若いとその感覚がわからないし、「放っておく」のが怖いので、早く結論を出そうと焦るのですが、苦しみながら多くの文章を書くことを経験すると、実際に時間が解決することがあるんですね。

1/3ページ

Yahoo!ニュースからのお知らせ