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7月のFOMC-Relatively soon

7/27(木) 8:34配信

NRI研究員の時事解説

はじめに

今回のFOMCはイエレン議長による定例記者会見もなく、市場も政策金利の現状維持を早くから予想していたが、バランスシートの調整に関しては、声明文に次回(9月)の開始を強く示唆するメッセージが込められていた。いつものように内容を検討したい。

金融経済情勢の判断

政策運営に関する議論に入る前に、その前提となる金融経済情勢の判断(第1パラグラフ)をみておきたい。市場が今回のFOMCに関して注目していた点の一つは、足許でインフレに停滞感がみられる点をどう評価するかであった。

この点について今回の声明文は、総合インフレ率とコアインフレ率がともに低下し、2%を下回る水準で推移していると記述している。前回(6月)は、総合インフレ率が最近低下するとともに、コアインフレ率が2%を幾分下回る水準で推移していると記述していただけに、総じてインフレ率が目標対比で低位にあることを率直に認める表現に変更されたことがわかる。

それでも、FOMCは、金融政策スタンスの緩やかな調整(利上げ)の下でも、インフレ率が中期的には2%目標近辺で安定するとの見通しを維持している(第2パラグラフ)。この点は、議会証言の際に、イエレン議長が目標対比でインフレ率が低位であることが継続的かどうか判断するのは時期尚早としていたことと整合的である。

実体経済に関しても、前回(6月)の声明文にあった、雇用の増加ペースが緩やかになった(moderated)とか、個人消費が最近回復したといった表現が削除され、強い(solid)とか拡大を続けているという単純な描写に置き換えられた(第1パラグラフ)。また、景気の先行きに関するリスクも、上下双方にバランスしているとの判断を維持した(第2パラグラフ)。これらも、マクロの需給の引き締まりをポジティブに評価している点で、上記のようなインフレ見通しの維持を支えている訳である。

まもなく発表される第2四半期の実質GDP成長率が、第1四半期の低迷(年率+1.4%)から大きく回復するだけでなく、FOMCが潜在成長率とみる+1.8%を明確に超える結果となれば、FOMCによるこうした評価もさらに力を得ることになる。

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