ここから本文です

仮想現実の世界に「VR広告」が配信される時代がやってきた

7/27(木) 7:30配信

WIRED.jp

ついに仮想現実(VR)の世界にも、本格的に広告が表示される時代がやってきた。まるで実世界にいるようで、ゲームのようにインタラクティヴな体験によって、VR広告は極めて高いインプレッションを見込めるという。それはいったい、どんな体験になるのか。

揺らぐグーグル広告の信頼性

いま、あなたは仮想現実(VR)の世界にいると想像してほしい。左を向くと開いたドアが現れ、そこに入ってくるように誘っている。足を踏み入れると、そこは広告の世界。ブランドの世界観のなかを探索したり、操作したりできるのだ。

もうバナー広告や自動再生のヴィデオは忘れよう。「未来の広告」は、まるで実体験のようで、ほとんどゲームのようなものになる──。そんな時代に近づいているのだ。

VR開発環境を提供するUnityは2017年7月中旬、年内に新タイプの対話式広告「Virtual Room」を公開すると発表した。これまでのVRマーケティング体験とは違い、Virtual Room広告は広範なVRアプリのネットワークに現れる。ノートパソコンで見るようなディスプレイ広告や、携帯でゲームをしているときのヴィデオ広告に似ている。

「VRはどんな新しい媒体とも同じように、収益化されなければなりません」。こう指摘するのは、UnityのVR・AR戦略の責任者、トニー・パリシだ。「開発者は収益を得たいわけですし、わたしたちはその手助けをしたいのです」

しかし最近まで、厳密にどうすればそうなるのかはっきりしていなかった。ほとんどのVR開発者は、少額取引やアプリ内購入で収益を得るが、広告の利益に比べればわずかなものだ。

グーグルもVR広告への参入を予告

この機会を逃すまいと、ほかのVR会社もすでに動き始めている。グーグルは最近のブログで、プレーヤーがVRのなかで浮いているキューブに触れるか凝視することで、ヴィデオ広告を開始させる構想を披露した。そのフォーマットはデザインが簡素だ。

「VR広告のフォーマットは開発者が簡単に実行でき、かつ柔軟にカスタマイズでき、ユーザーにとって有用で邪魔にならないものでなければなりません」。グーグルの社内インキュベーター「Area 120」のアーユッシュ・ウパディヤイとニール・ラオは、ブログでこのように述べている。

グーグルのやり方は従来型のデジタル広告に似ているが、広告業界の多くは違った考えをもっている。「わたしたちは、初期のモバイル広告が30秒のテレビCMを再利用したように、広告を“複製”するのではなく、VRならではの機会を模索したいのです」。オンライン広告の業界団体Interactive Advertising Bureau(IAB)のヴィデオ部門の責任者代理、エリック・ジョンは、このように語る。

IABはUnityと協力しながら、Virtual Roomを中心にガイドラインを構築し、広告が再生される時間、表示される頻度などを決めていく考えだ。Unityによると、ブランド関連のコンテンツは開発者やプレーヤーの許諾を得たうえで配信される見通しだ。広告は1時間に2分程度表示され、ターゲットをなるべく絞り、広告に興味を持つ人に訴求することになるだろう。

ゲームのレヴェルを1つ終えた直後など、何かのタイミングに表示されるという点で、モバイルゲームやテレビの広告に似ている。大きく変わるのは、プレーヤーと広告とのかかわり方だ。人々はUnityがつくった広告を受動的に眺めるのではなく、それと一緒に遊ぶことになる。

1/2ページ

最終更新:7/27(木) 7:30
WIRED.jp

記事提供社からのご案内(外部サイト)

『WIRED Vol.29』

コンデナスト・ジャパン

2017年9月11日発売

630円(税込み)

『WIRED』VOL.29は1冊まるごとアフリカ大特集!「African freestyle ワイアード、アフリカにいく」南アフリカ、ルワンダ、ケニア etc