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ETFの急成長とその課題

7/27(木) 14:20配信

NRI研究員の時事解説

<要旨>

ETF(指数連動型上場投資信託)が急成長を続けており、現在、世界のETFの規模は4兆ドル程度に達したとされている。こうした急成長を受けて、国際的な証券取引を監督、規制する証券監督者国際機構:IOSCO(通称イオスコ)がETFを再度調査する動きとなっている。近年のETF急成長は、グローバルな資産運用におけるアクティブ運用からパッシブ運用への流れのなかで生じている側面がある。足もとでは、ファンドでアクティブ運用される投資信託のパフォーマンスに対する失望が、より手数料の低いETFへの資金シフトを促している面がある。ETFあるいはパッシブ運用の拡大については、それが市場の流動性、効率性など市場機能に与える悪影響が注目されている。他方、ETFの急成長が金融市場の安定を損なうとの警戒については、運用会社からは否定的な意見も出されている。またBISなど国際機関は、手数料の低さなどから特に欧州で拡大しているシンセティック型ETFにおける流動性リスクとカウンターパーティリスクに注目している。

ETFの急成長と監視強化の動き

ETF(指数連動型上場投資信託)が急成長を続けている。現在、世界のETFの規模は4兆ドル程度に達したとされているが、その急成長のきっかけとなったのは2008年のグローバル金融危機であり、過去10年間で新たに2.6兆ドル程度も増加したという。さらに過去数年間は増加ペースが加速しており、過去5年間のうち4年間は、過去最高のペースで拡大している(注1)。

こうした急成長を受けて、国際的な証券取引を監督、規制する証券監督者国際機構:IOSCO (International Organization of Securities Commissions:通称イオスコ)がETFを再度調査する動きとなっている。これは、ETFの定義、分類、保有者、価格形成などについて精査するようにという、アイルランド中央銀行の要請に応えたものであるという。IOSCOは2013年にETFのレビューを一度おこなっているが(注2)、それ以降の急成長を受けて、更なるレビューが期待されている。 ETFについては、近年、フランスや米国でもルール作り、規制に向けた動きが見られている。

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