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枠があっても「外国人FWはいらない」というジュビロ名波監督の思惑

7/27(木) 11:30配信

webスポルティーバ

ジュビロ磐田
名波浩監督インタビュー(後編)

MF中村俊輔(横浜F・マリノス→)をはじめ、FW川又堅碁(名古屋グランパス→)、MFムサエフ(カルシ/ウズベキスタン→)、DF高橋祥平(ヴィッセル神戸→)ら、新加入組の活躍が光っているジュビロ磐田。彼らの加入によってチームはどう変わったか、名波浩監督に話を聞いた――。

【写真】スタジアムに見る「俊輔効果」

――「好調」と言っていい今季前半戦だったと思いますが、やはりそこには”(中村)俊輔効果”が大きく影響しているのでしょうか。

「それは大きいでしょ、誰がどう見ても。俊輔の移籍加入が決まった当初は、(40歳間近のベテラン獲得には)批判的な声も少なからずあったみたいだし、FW川又堅碁に対しても、『点を取っていないFW(昨季は名古屋グランパスで17試合出場5ゴール)を獲ってどうするんだ』という声が自分まで届いてきた。でも、選手を獲得するときというのは、100%活躍してくれる保証なんて当然ないし、そこには多少のギャンブル的要素があるのかもしれない。その意味で言えば、彼らを獲ることでチームが劇的に変わるかどうかはわからなかったけれど、チームをよくするための”味つけ”というか、”スパイス”にはなると思っていました。

 だから、自分自身は周りに何を言われようが、彼らを信頼し続けているし、今はホント、その信頼以上のもので応えてくれている。練習を見ていても、既存の選手たちの刺激になっているのは間違いない。今までとはちょっと違う風を吹き込んでくれましたね。俊輔を中心に居残り練習もどんどん長くなってきて、正直なところ、監督としては『やりすぎだから、早く上がれ!』という気持ちもあるんですけど(苦笑)」

――名波監督は昨季、「うちは横から縦へという展開が少なく、スルーパスも少ない」と話していましたが、今季の磐田にスルーパスが増えているのも”俊輔効果”ですか。

「スルーパスが少なかったのは、出し手が見てない、あるいは受け手がもらおうとしてないというような、ふたりの関係性だけが原因ではなかったと思っています。今季のジュビロは俊輔が入ったことでボールが収まり、彼が前を見てくれるので、周りの選手には『俊輔にボールが入るだろう』という予測が立ちやすくなりますよね。それを予測しやすくなると、選手は頭で考える前に、たぶん体が自然と動き出すんですよ。

 ということは、3人目の反応がよくなる。3人目が反応よく入ってくれば、受け手はそれが目に入るから、『あっ、クサビに顔を出さなきゃ』となる。今はまだ、受け手の動きが(3人目の動きの)後追いかもしれないけれど、結果として連動性が生まれてきている。これが後追いではなく、もっとオートマティックになれば、より中央突破の回数も増えると思います」

――MF川辺駿(かわべ・はやお)選手などは、前へ出ていくタイミングがとてもよくなったように見えます。

「実は今季開幕前のキャンプでは、最初の1カ月近く、どの練習でもわざと川辺を俊輔とは組まさなかったんです。紅白戦や対外試合はもちろん、3対3とか、5対5の練習とかでも、1月中は同じチームにしなかった。駿は番記者さんたちに俊輔について聞かれると、ふてくされて『僕、一回も一緒にやっていないんで』と愚痴っていたらしいですけど(笑)」

――どんな狙いがあったんですか。

「対戦相手としてなのか、ピッチの外からなのかはともかく、まずは『見ることが大事』だからです。若い選手というのは、新しく入ってきた選手と一緒にやると、だいたい自分のプレーを押しつけたがる。『オレの特徴はこれですよ』『オレがやりたいのはこういうプレーですよ』と。

 でも、そうじゃない。まずは見て学び、俊輔をどういうふうに使うか、ということを考えてほしかったんです。周りの選手がボールを受けたときに、俊輔はどういうタイミングで顔を出すのか。俊輔がどういうタイミングでボール持っているときに、周りが出ていかなきゃいけないのか。そういうことは、自分のなかですり合わせていかないと本当の答えはわからない。監督やコーチがどんなに言葉で伝えても、それは机上の空論に過ぎませんから」

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