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ビットコイン分裂は回避されたが、問題は今後も起こる

7/27(木) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 前回(7月20日付け)のコラムで説明したように、8月1日にビットコインが分裂する可能性があったが、「Segwit」を実装し、さらに6ヵ月後に、ブロックのサイズを拡大する提案への賛成が増え、当面の分裂は回避された。 処理能力を上げるやり方として、それぞれ主張されていた、取引データの電子署名部分を別枠扱いにし、ブロックの情報を圧縮する案(「Segwit」の採用)と、ブロックサイズを拡大する案を、いわば折衷したものだ。

 しかし、これから数ヵ月間で、いくつかの問題が発生すると予想される。

● 「BIP91」の提案支持で ビットコインの分岐を回避

 これまで、ビットコインの分裂を回避するため、「Segwit2x」という提案がなされていた。前回のコラム執筆の時点では、プログラムが準備できていなかったのだが、それが間に合った。

 この「BIP91」(BIP:Bitcoin Inprovement Plan、ビットコイン改善計画)に賛成するマイナー(ビットコインの採掘者)のシグナルの発信が、7月19日未明から始まり、21日9時にその導入が決まった(「BIP91」がロックインされた)。

 そして、23日に、正式にアクティベートされた(有効化された)。

 これにより、今後、「Segwit」を支持するシグナルを発していないブロックは、ノード(参加者)に拒否される。

 この結果、8月1日に発動を予定されていた「UASF」(ユーザーによるソフトフォーク)は、意図していたことが実現されるので、発動されない。それは回避された。

 ほぼすべてのマイナーが「Segwit2x」を支持するシグナルを発しているので、8月10日前後に、「Segwit」実装は完了するだろうと予想されている。ただし、確実でないとの指摘もある(後述)。

 「Segwit」が実装されれば、ライトニングネットワーク(ブロックチェーンの外で取引を行なうことにより、早い承認の取引を手数料ゼロで可能とする技術)などの関連技術開発が進むだろうと期待されている。

 このため市場には安心感が広がり、ビットコインの価格も上昇した。1BTC=2000ドルを割り込む水準であったのが、3000ドル近くまで回復した (図表1参照)。

 ◆図表1:ビットコインの価格推移

● まざまなさ主張が出てきた ビットコイン改善の提案

 ビットコイン改善提案については、この連載でこれまで説明してきたが、ここで改めて整理しておこう。

 (1)「BIP141」

 「Segwit」は、電子署名データを分離して格納し、データを圧縮する提案だ。それにより、取引可能量は約2倍に増えるという。この提案は、「BIP141」(ビットコイン改善計画141号)と呼ばれる。

 (2)「BIP9」

 プログラムの変更による取引の系列の「分岐」を起きにくくするため、変更を突然アクティベート(有効化)するのではなく、「事前に通知を行ない、十分な数のマイナーが、新仕様(規格)にアップグレードの準備ができたというシグナルを発した場合に限り有効にする」というのが、「BIP9」の提案だ。

 「Segwit」については、その採用の準備ができたマイナーは、ブロックの中の「versionbits」という欄に「bit1」というシグナルを出す。

 過去nブロックでx%以上がシグナルを発すれば、「Segwit」の採用を決定する。これを「ロックイン」という。そして、yブロック後に変更が有効になる(アクティベートされる)という仕組みだ。xは閾値と呼ばれ、95%に設定された。

 2016年10月からマイナーによるシグナリングが開始され、17年11月15日までにシグナリングによる合意が95%になると、「Segwit」をアクティベートすることになっていた。

 「BIP9」に関する説明は、「BIP 9: Enabling Easier Changes and Upgrades to Bitcoin」を参照。

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