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日本企業の経営計画の多くが「自己満足」に終わっている理由

7/27(木) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 多くの日本企業では、中長期経営計画を作成している。その度に、現場側は苦労して重厚長大な計画を作成するが、外部から見れば、どこもあまり変わり映えしないもので、労力の割には有効性という点で疑問を抱くような計画が少なくない。どうしてこのような中長期経営計画ができてしまうのか。問題点を指摘したい。(アクセンチュア マネジング・ディレクター 中野豊明)

 多くの日本企業が、3年もしくは5年に一度、中長期経営計画を立案している。会社によって、「中期経営戦略」だったり「ビジョン2020年」だったりと、呼び方はさまざまだが、目的はその期間で会社が進む道筋を目標とする売上や利益率などの経営指標とともに定めるものだ。

 立案の方法は、会社によって異なる。経営トップが自ら陣頭指揮を取って深くコミットしながら作成する、経営企画部がアウトラインを決めて事業本部が詳細化する、もしくは事業本部が主体的に立案をしたものを経営企画部が取りまとめる、などだ。

 それに対して、「現場側の苦労」は、どこの会社でも概ね同じである。目新しい新機軸をどのように定めるか、全社経営目標とする数字を自部門でいかに達成するか、もしくはオーバーコミットにならないように塩梅のいい目標をどの辺りに定めるか。いずれにしても、中計の作成期間中は部内のキーメンバーを集めて侃々諤々の会議が日ごとに繰り返される。

● 中期経営計画の実態 どれもほとんど変わり映えがしない

 確認しようと思えば、どこの会社の中計でも、その会社のホームページに掲載されていることが多いにもかかわらず、多くの場合、他社の中期経営計画を数多く熟読するような機会は少ないはずだ。

 理由は単純で、現場の業務は多忙だし、まるで異なった業界の中計を読んでも参考になることはほとんどないからだ。おそらく何年かに一度、自社の中計立案にあたり、顧客や競合の中計を参考にするぐらいが関の山であろう。

 一方で、毎日のように各社の中計を熟読している人間がいる。それは我々コンサルタントである。我々は仕事柄、クライアントやその競合の中計を読むことが仕事における基本中の基本になっている。多数の会社の中計を読んでいると、すぐに気がつくことがある。それは、どの会社の中計もほとんど変わり映えがしない、という点だ。

 例えば、最新の各社中計を見てみよう。そこは「グローバル」「IoT」「デジタル」というキーワードであふれている。一世代前は、それは「エコ(環境)」であり「サステナブル(持続可能)」だったはずだ。

 世の中のトレンドだから、当たり前と言えば当たり前なのかもしれない。しかし、それでは一体、どうやって競合との差別化を果たすのか。

 こうした中計は、実はその「作り方」にも問題がある。

 先ほどのようなトレンドは、新聞や雑誌などで頻繁に目にする。さらに興味を持ってインターネットで少し調べれば、どのようなもので、何が実現できそうかぐらいは把握することが可能だ。こうして比較的簡単に手に入る情報で作りあげられた中計は、間違ってはいないが内容が軽薄だ。

 特にIoTやデジタルのようなITに関連するキーワードは、「手法」ではあるがビジネスの本質ではない。それらを自社の事業のどこにどのように適用して、どういった効果を創出するのか、きちんとした考察がなされているケースは稀である。

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