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パチンコ人口が前年比130万人減で過去最低に。だからといってインバウンドに頼るのは愚策である

7/27(木) 15:50配信

HARBOR BUSINESS Online

 7月20日、公益財団法人日本生産性本部が発表した「レジャー白書2017」によれば、パチンコ参加人口は940万人と発表され、前年の1070万人から130万人(12%)減となった。これは2013年以来3年振りの1000万人割れとなり、また過去最低の参加人口数となる。

 併せて市場規模も21兆6260億円で1兆6030億円の減少、参加人口、市場規模ともに縮小したことになる。また参加率、年間平均回数、年間平均費用等も軒並みダウンしている。

「レジャー白書2017」は、2016年の1年間の統計。カジノ法案が議論されるにつれ高まる依存症問題、パチンコMAX機の撤去等、2016年はパチンコ業界にとって苦難の1年であったのは間違いない。その結果が数字としても如実に反映されている格好だ。

 一方、「レジャー白書」による数値は、実態とは大きくかけ離れているという声も多くある。

 例えば「費用」とは、パチンコに参加する際の使用金額のことであり、この数値に「換金」(=勝ち額)は、当たり前だが反映されていない。

 また年間平均回数(29.8回)と年間平均費用88900円を単純に割れば、2983円になるが、この金額も実際にパチンコを嗜む人からすれば、1円パチンコ等の低貸玉に特化したのならばいざ知らず、中々理解に苦しむ数字である。

 この調査をする設問においても、あくまで「ぱちんこ」(※法的には「ぱちんこ」という言葉に、「パチンコ」も「パチスロ」も含まれる)に特化した質問になっており、パチスロだけを遊技する人は、「パチンコはやらない」という答えになるかも知れない。業界の人にとって「レジャー白書」とは、あくまで大きな視野で年ごとの上がり下がりを判断する参考資料に過ぎないというのも理解すべきであろう。

 今回の「レジャー白書」において唯一の光明は、日本生産性本部 余暇創研の記者会見における桜美林大学・山口有次教授のこのコメントではなかろうか。「外食やカラオケはインバウンドの恩恵を受けているが、今後、パチンコ等もインバウンドの恩恵の拡大が期待できる分野として、その取り込みを検討する価値がある」と、市場回復の可能性について示唆した。

◆パチンコ業界が外国人観光客との相性が悪い理由は換金問題

 パチンコとインバウンド。パチンコ業界はインバウンドにチャレンジしてこなかった訳ではない。

 確かに、福岡あたりでは、パチンコが目的の韓国ツアー客が大勢いたり、浅草や秋葉原、大阪の心斎橋や札幌のすすきのなど、外国人観光客が大挙して押し寄せる地域のパチンコ店では外国人の遊技客を見かけたりもする。パチンコホールによっては、何か国語もの遊技方法案内パンフが置いてあったり、外国語(主に英語や中国語)を喋れるスタッフを常駐されていたりもする。

 しかし、パチンコ店に外国人を取り込むには、越えなくてはいけないハードルがいくつかあり、なかなか困難な現状だ。

 一つは、遊技機のゲーム性の複雑さ。何年間もパチンコやパチスロの遊技をしている人でさえ、新台のゲーム性を理解し難いこともある。また一体、最近の傾向としての演出過多の問題もあったり、当たっても玉やメダルが少量しか出なかったりと、ふらりと入店した外国人観光客が、小1時間でパチンコを楽しむのは難しい。

 また騒音や煙草の問題もある。パチンコ店における騒音や煙草の匂いは、外国人観光客たちは、日本人よりも敏感に反応する。禁煙後進国と言われる日本。煙草の煙が充満するホールにおいてのパチンコ遊技は、外国人観光客にとって苦痛でしかないだろう。

 最近では、騒音対策や、禁煙・分煙等の煙草対策にパチンコホールも乗り出してはいるが、設備投資の費用対効果を考えれば二の足を踏むのが現状である。

 外国人観光客をパチンコに取り込むにあたっての最大の障害は「換金システム」をどう理解させるのか、ということ。パチンコは、ギャンブルではない。実際に客の換金行為は行われているが、それは「パチンコ店が与り知らぬ話」であり、パチンコ店が案内や推奨できる立場にはない。パチンコ業界が外国人観光客を取り込めない最大の急所がここなのだ。

 真っ当にパチンコを紹介してしまえば、生活用品等の景品との交換を目的としたゲームである。そこに、外国人観光客にパチンコを普及せしめる魅力は皆無。

 遊技機のゲーム性の単純化・短時間化。騒音・煙草問題の解決。この二点は十分に改善、解決の余地がある。しかし3つ目の「換金システム」の問題は、パチンコの「換金合法化」がなされない限り、その解決は極めて難しい。

 パチンコファンの減少、市場の縮小、規制の強化がなされるなか、パチンコ業界がとるべき新規市場開拓の方向性はどうあるべきか。上記の理由で、少なくともインバウンドではないと思うのだが。

<文・安達 夕 @yuu_adachi>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:7/27(木) 15:50
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