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「ふるさと納税」が待機児童を増やす 世田谷区の税収減が危ない

7/27(木) 8:00配信

デイリー新潮

 A5ランクの黒毛和牛に活とらふぐのチリ鍋セット。豪華「返礼品」でブームに沸く「ふるさと納税」だが、そのせいで思わぬところに皺寄せがいくという。ノンフィクションライターの上條昌史氏が、「ふるさと納税」のもたらす「弊害」を徹底取材した。(以下「新潮45」8月号より抜粋)

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 ふるさと納税が栄えることで、待機児童が増える――。風が吹けば桶屋が儲かる、ではないが、いま、そんな奇妙な事態が現実に起きようとしているのだ。

 首都圏の共働き世帯が多く居住し、およそ90万人の住民を擁する東京都世田谷区。区庁舎の一室で、保坂展人区長はこう切り出した。

「世田谷区は、平成28年度のふるさと納税による住民税控除額で、16億5000万円の税収減に見舞われました。平成29年度は、前年度の2倍に当たる30億6990万円の税収減になることが見込まれています。16億5000万円という金額は、園庭付き認可保育園5カ所分の整備費用に当たり、30億円となれば古くなった学校1校を改築する費用に相当します。ふるさと納税による税収減は、もはや限度を超えた水準に達しており、非常に強い危機感を抱いています」

 このところ爆発的な広がりを見せているふるさと納税によって、多くの自治体が「特需」に沸いてきたのはご承知の通りだ。

 だが、どこかの税収が増えるということは、他のどこかが税収減の煽りを喰うことに他ならない。実際、世田谷区をはじめとする都市部の自治体は巨額の税収減に頭を悩ませており、その結果、各自治体が必死に取り組んできた「待機児童対策」にも暗い影を落としかねない状況なのである。

 世田谷区ではこの1年間で人口が約1万人増加。未就学児童も増え続け、保育施設や子育て支援の充実・拡大は危急の課題となっている。待機児童数が「全国ワースト1」とされる世田谷区では、ここ数年、保育事業だけで実に年間450億円を投入してきた。そうすることで保育施設を拡充し、3歳以上の待機児童をようやくゼロにした。しかし、0~2歳児を受け入れる保育施設はまだ十分とは言えない。

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最終更新:7/27(木) 11:52
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