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真木よう子『セシルのもくろみ』みたいに女性誌の裏ってギスギスなの?

7/27(木) 8:50配信

女子SPA!

 女だらけの職場って、端から見るとギスギス感が面白いのですが、実際体験してみると大変なことばかりです。

 ドラマ『セシルのもくろみ』(木曜夜22時 フジテレビ系列)は、女性誌などに連載を多く持つ唯川恵の小説が原作でもあり、女性たちの人物像などリアルさがあって、共感するところもあるのではないでしょうか。

 過去にティーン向けファッション雑誌の編集をしていた筆者の経験を元に、実際の業界について、ドラマと比べつつご紹介します。

◆本当に、ダサい人が変身できる?

 春日部に住むフツーの主婦・宮地奈央(真木よう子)は、ファッションにも興味がなくどちらかというとダサめな女性でした。それが、ある日、ライターの沖田(伊藤歩)から読者モデルにスカウトされます。自分とはかけ離れた世界を拒否しますが、そのうち持ち前の負けず嫌いとやる気を発揮して、少しずつ変化していくサクセスストーリー。

 女性誌の世界では、専属モデルの下に読者モデルという一般枠があります。主に読者の方が、モデルの応募や企画内での参加者での応募、まれに開催している雑誌でのオーディションなどで集まってきます。中には、すでにモデル事務所に所属していますが、仕事が少ないので専属目指して売り込みをし、この「読者モデル」枠をもらったりするモデルもいます。

 ドラマのようにスカウトされることは稀かもしれませんが、「オーディションに参加して!」という声の掛け方なので、まったくない話ではありません。最近は、ネットですでに人気者だったりする一般女性に雑誌の方から「読モしませんか? この企画参加しませんか?」と声をかけるパターンもあるぐらいです。

 ただ、根本的にオシャレが好きとかそういった素質がある人に声をかけるので、やっぱり、宮地ほど無頓着(むとんちゃく)でダサい女性をスカウトするのはドラマらしい話だと言えるでしょう。なにはともあれ、編集長の好みが強く反映されるのは事実なので、気に入られることが重要です。

◆ファッションライターの現実ってどう?

 ファッション誌以外でライター業をやっている人やベテラン勢だと、「●●な企画があって、それの取材をお願いします」という依頼が編集者からありますが、ファッション誌となると「企画10本出して!」と内部の編集者から依頼されます。それが通ってから初めてお仕事のお話です。

 雑誌にもよりますが、純粋に「書く」行為だけではないので、編集ライターに近い存在でしょうか。なので、ドラマで描かれるように沖田が宮地を育てて何でも屋化するのは、自分へ返ってくるものに期待しているわけです。

 元々、女性誌で読者モデルをしていて、特技や守備範囲を研究しまくりネタを持っているという人がその雑誌のお抱えライターとして活躍していることが多いようです。読モとしてはブレイクしなかったものの、ネタが豊富なのと微妙に見てくれがいいことで、顔出しOKなライターとして第2ステージに移行するパターンです。

◆ドラマの「月収15万円」は現実に近いかも

 しかし、ドラマの沖田のように全くの新人や売り込みをかけた新規ライターだと、扱いは低いかもしれません。

 先日、沖田は「月に15万ぐらい」と収入を明かしていました。月に10ページ以上20ページ以内ぐらいのだいたい企画2~3本かなという計算でしょうか。これが、他の媒体でも上手いことやれているライターならいいのですが、沖田のように異業種から実績なく30代中盤でライターに…となると、それが現実だったり現実はもっと低いかもしれません。

 そんなわけで、モデル同様に、ぽっと出の(その媒体での)新人ライターに、同業のライターからの当たりがキツいのは当然で、それだけ厳しい世界なのです。

 はじまったばかりの『セシルのもくろみ』ですが、ほかにもモデル同士のいがみ合いや格差、現役ナンバー1モデルと卒業してタレント化したモデルとの確執、ライターの恋愛事情など、小ネタあるあるが満載でした。

 今は、最底辺からスタートしたばっかりの宮地&沖田が、大きく成長していくさまを生ぬるく見守っていこうかと思います。

<TEXT/タケダマコ>

女子SPA!

最終更新:7/27(木) 8:50
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