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名字に「西」と「北」が多く「東」と「南」が少ない理由とは

7/28(金) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 NHK「人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!」に出演する森岡浩氏は、姓氏研究の第一人者であり、これまで研究されてこなかった庶民の名字の歴史や意味を解明した功績で知られる。

 近著『名字でわかる あなたのルーツ』を上梓したばかりの森岡氏監修の下、日本人なら知っておきたい名字の常識を紹介する。

 東西南北を「ひがし」「にし」「みなみ」「きた」と読み、下に地形がついている主な名字のランキングを挙げると次のようになる。

・東山/1100位台
・西山/167位
・南山/3400位台
・北山/596位

・東田/1300位台
・西田/109位
・南田/3500位台
・北田/707位

・東村/3500位台
・西村/43位
・南村/5300位台
・北村/114位

 西と北が多く、東と南が少ないことには理由がある。多くの名字が生まれた中世の武士は谷間に好んで住んだ。生活に必要な川が流れているし、集落の入り口が1か所しかなく、村を守りやすかったからだ。

 そして、東側や南側に口の開いた谷間のほうが日当たり良く実りもいい。領主は、そうした谷の入り口近くに居を構えて村を守り、農民はそこから谷の奥に向かって住んだ。

 ということは、領主から見れば南に開いた谷であれば北側に、東に開いた谷であれば西側に農民が住んでいる。従って、彼らが名乗る名字は「北」や「西」が多くなる。

 なお、方位や方角を表わす名字には、川の上流か下流かを区別した「上・下」や、寺や神社などとの位置関係を示す「前・後」「表・裏」や「横・脇・端」、領主からの距離を示す「近・遠」などがある。

 また、方位を十二支で示すケースもあり、このなかには北東、南東、南西、北西を意味する「艮(ごん/うしとら)・巽(そん/たつみ)・坤(こん/ひつじさる)・乾(けん/いぬい)」を含むが、縁起が良くないとされる巽と坤はあまり使われなかった。

イラスト■スズキサトル

※週刊ポスト2017年8月4日号