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“家業に励む”が養生の道 帯津良一が両親から学んだこと〈週刊朝日〉

8/1(火) 7:00配信

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 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。帯津氏が、貝原益軒の『養生訓』を元に自身の“養生訓”を明かす。

*  *  *
【貝原益軒 養生訓】(巻第一の24)
四民ともに家業をよくつとむるは、
皆是(これ)養生の道なり。つとむべき事をつとめず、
久しく安座し、ねぶり臥す事をこのむ、
是大(おおい)に養生に害あり。

 益軒は養生を、隠居した老人や世間から離れてのんびりしている人のものだとは考えていませんでした。養生を知らない人は、昼夜働いて暇のない人は養生ができないのではと思っているが、それは間違っていると言い切っています。

 むしろ、「四民ともに家業をよくつとむるは、皆是養生の道なり」(巻第一の24)と説きます。つまり、武士も農工商の者も家業に励むことが養生の道だというのです。

「武士となる人は、幼いときから書を読み習字を習い、礼楽を学び、弓を射(い)り馬に乗り武芸を習って、身を動かすべし。農、工、商の人はおのおの、家業を怠けず朝に夕によくつとむべし。婦女は家にいて気が停滞しがちで、病が生じやすいので、仕事をして体を動かすべし。富貴の娘であっても、親、しゅうと、夫によく仕えて世話をし、織物や針仕事、糸つむぎ、料理を職分として、また子をよく育てて、安座していてはいけない」(同)と語ります。どんな人もそれぞれに、よく働いて体を動かしていることが養生だというのです。

 私は昔から「家業に励みなさい」という言葉が好きでした。この言葉には、単に働きなさいという意味以上のものが含まれています。そこには、親から引き継いだ物を大事にする心、先祖に対する感謝の気持ちといったことが語られているように思うのです。

 益軒も養生訓を「人の身は父母を本(もと)とし、天地を初(はじめ)とす」(巻第一の1)という言葉から始めて、私たちの生命(いのち)は親、祖先からいただいたものであるから、それに感謝することが養生だと強調しています。

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最終更新:8/1(火) 7:00
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