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そっくりコラボのユニフォーム!? ──ヴェトモン 2018年春夏コレクション

7/28(金) 12:11配信

GQ JAPAN

コラボ相手はDHLにumbro、トミー・ヒルフィガーまで。

スイス、チューリヒで、パトカーの前に立つのは、ブルーのボタンダウンのセットアップ。上には蛍光グリーンのパーカ。シャツ&スラックスとロゴ入りパーカは、ワークというよりはユニフォーム調だ。

【全てのルックを見る】パリからスイスへ。モデルも全て市井の人々!異彩を放つヴェトモン 2018年春夏コレクション

「社会で使用されている制服が好きです。子供の頃、多様性が欠如した環境で過ごしたからだと思う」と、旧ソ連のジョージア(グルジア)出身のデザイナー、デムナ・ヴァザリアは語る。写真のモデルは本物の警察官ではないが、保険会社のビジネスマンか、会計士か、とにかく“市井(しせい)の人”。彼らをモデルに選んだのはデムナとそのチームで、撮影もデムナ自らが行った。

そして、今回は、これらの写真の大型パネルが会場に並んだ。パリからスイスへのオフィス移転と同時に、ファッションウィ―クへも今後は不参加、つまり、ショーはしない、という宣言どおりだ。しかし、このやり方に違和感はない。

今年1月、さまざまな職業をテーマに、一般人のモデルがランウェイを歩いたこと、そしてバレンシアガのメンズショーでも、「普通の父親」と本物の家族たちが、モデルとして登場したことと重なる。「アンチファッション」「リアル」というコンセプトは、デムナの巧みなカメラワークで、さらに精度が増して見える。

デニムジャケット(ジージャン)の胸に挟みこまれた、デニムパンツのウエスト部分。そしてパンツの筒の部分は袖になり、モデルのひじや二の腕を覆う。Tシャツは違う2枚が合体し、パンツは途中から突然色が変わる……。

マルタン・マルジェラの「正統的継承者」ともいえるデムナによるこうしたディテールは、今のストリートにあってはむしろ、全くリアルそのものである。

そこに、イギリスのスポーツウエアメーカー、umbroとコラボしたポロ&ハイネックシャツ(ロゴが重なり、袖が長いところがヴェトモン仕様)や、世界最大の運送会社DHLとのコラボによるナイロンパーカなどが現れると、より親近感とユーモアと、そして購買欲が刺激される。DHLの制服と激似で、IKEA似バッグ以上の物議必至だ(笑)。

加えて、蛍光イエローが旬とか、黒に白ライン入りのスポーツスタイルが復活、などのトレンドも、「ヴェトモンがやっているから絶対流行るに違いない」と、思えてくる。

そしてもう一つ、パリ以外に拠点を移す、というような動きも、流行ってしまうかも!? ヴェトモン以外が「もうパリでショーはしない」と言えば、それはほぼ都落ちを意味する。が、そんな旧来のファッションシステムに平気で背を向けるのが、デムナとグラム(実弟でヴェトモン社CEO)の、ヴァザリア兄弟だ。

そう、タックスヘイブンのスイスは、パリよりも生産基地のイタリアに近く、また故郷であり、かつ最新ファッションの発信地として最近注目の旧ロシアにも行きやすい。同時にかの国は、地球上の富が、一点に集中している特別な地。ゆえに、世界で動乱が起きようが、その影響を受ける可能性は少ない……。

グルジアでの内戦を生き抜いてきた彼らの、リアル・アンダーグラウンドは、きわめてクレバーで、だからこそ、強烈な磁力を放っている。

Chiyumi Hioki

最終更新:7/28(金) 12:11
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