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北の大地のクロス・バリューチェーン(上)

7/28(金) 21:41配信

オルタナ

G☆Local Eco!第12回

北海道といえば富良野のラベンダーを思い浮かべる人も多いであろう。それだけではなく、北は大雪山から富良野を通って南は十勝までの250kmにある8つのガーデンが連携して「北海道ガーデン街道」という観光振興を行っており、いまや年間50万人超の観光客が訪れるようになった。2008年に北海道ガーデン街道協議会が発足し、それまで個々に経営していたガーデンが連携することで、ドイツのロマンチック街道のような広域連携の観光事業を行おうという試みだ。(青木 茂樹:オルタナ/Sustainable Brands Japan)

そもそも個々のガーデンはそれぞれの考えや目的があってガーデン事業を興したのであり、創業期もバラバラである。ただし、この協議会に属する会社に共通することは、北海道独自の気候や地形を生かして四季折々のガーデンを楽しめることにある。

地元紙のカーボンオフセットから生まれた、十勝千年の森

その一つである「十勝千年の森」は、地方紙である十勝毎日新聞の林光繁会長が1992年にカーボンオフセットを目指して森づくりを始めたことに由来する。バブル経済の崩壊直後からカーボンオフセットを提唱している先見性には驚かされる。

オフセットのために植林をする企業はよくあるが、これを庭園として単独事業化していこうというのは熱の入れかたが違う。人間の人生が100年ならば森は1000年の発想でデザインすべきだと考え、植林から16年後の2008年にようやく開業に至った。

世界的なガーデナー(造園家)ダン・ピアソン氏と高野ランドスケーププランニング(札幌市)が手がけたイングリッシュガーデンであるが、日本庭園の思想も受けており、背後の日高山脈を借景に生かしている。

さらにゴルフ場のアンデュレーションのように波打つような連続する小山を造成し高低差をつけることで、歩きながら視点や音の変化を楽しむことができ、時間とともに影の長さが変わることでガーデンの表情が変わる。

ガーデンとは見て楽しむだけではなく、音、風という五感を研ぎ澄ませ、感性を広げる場所であることが再認識できる場でもあった。

コンピュータでこの庭園の品種の配合を計算した図面を作成し、植栽していくのだが植物間の生き残り競争は人知を超えた結果となっていく。あくまでも自然に成長を任せていくのがナチュラリスティック・スタイルである。こうした努力が実り、2012年に「十勝千年の森」は、英国デザイナーズ協会の最高位のグランドアワードを受賞することとなった。

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最終更新:7/28(金) 21:56
オルタナ

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