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【試写室】「ドラえもん夏の1時間SP」名作は色あせず、映像は色濃く生まれ変わった

7/28(金) 5:00配信

ザテレビジョン

「新人はノビノビと育てるべし」

どうあっても最初から思い通りに何もかもうまく立ち回れるということはないのだから、ヘタに型にはめ込まず、ある程度は思うがままにさせてやった方がいいと個人的には思っている。

【写真を見る】ドラえもんが頬を真っ赤にして怒る!

ノビノビやっている人間というのは、総じてみんな明るいし、何事も楽しそうにやっているように見える。その方が多少失敗したとしてもかわいげがあっていい。やはり、“愛されキャラ”にかなう者などいないのだ。

そんな、ちょっぴりしくじりがちな“愛されキャラ”日本代表ともいうべき人間・野比のび太が、文字通りノビノビと人生を謳歌するアニメが、毎週金曜夜7時から放送中の「ドラえもん」(テレビ朝日系)だ。

各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。今回は7月28日(金)夜7時から放送の「あの名作が帰ってくる!ドラえもん夏の1時間スペシャル」(テレビ朝日系)を取り上げる。

今回は、有名原作のエピソードを放送する2本立てのスペシャルだ。

■ 「ぼくミニドラえもん」あらすじ

学校の宿題で、野鳥を観察することになったのび太は、ドラえもんに頼んで山に連れて行ってもらい、珍しい野鳥を観察しようと考え、しずかやジャイアン、スネ夫にも約束してしまう。ところが、ドラえもんは迷子のネコを探すため、出掛けなくてはいけないという。

のび太に泣きつかれたドラえもんは、ポケットからドラえもんそっくりの「ミニドラえもん」を出して置いていくことに。サイズは小さいながらも、ポケットにはひみつ道具も入っているらしい。

早速、ミニドラえもんに「タケコプター」を出してもらうのび太だったが、タケコプターが小さ過ぎてのび太の体重を支え切れず、地面すれすれの所まで落ちてきてしまう。その後、しずかたちと合流し、ミニドラえもんの出した「どこでもドア」で山に行こうとするが、ドアが小さ過ぎて入ることができない…。

そこで、「スモールライト」でのび太たちが小さくなることにするが…!?

■ 「ぞうとおじさん」あらすじ

親戚ののび四郎おじさんが、久しぶりに遊びにやってきた。動物写真家のおじさんは、いつも外国を飛び回って動物の写真を撮っているのだ。のび太から一番好きな動物は何かと聞かれたおじさんは、「ぞう」だと答えると、ある昔話を始める。

おじさんは子どもの頃から動物が大好きで、よく動物園に遊びに行っていた。特に、見事な芸を見せてくれるぞうのハナ夫が大好きだったのだという。ところが、戦争が激しくなると、おじさんは田舎に疎開することになり、ハナ夫と会えなくなってしまった。

ようやく戦争が終わり、東京に戻ったおじさんが久しぶりに動物園に行くと、ハナ夫の姿が見当たらず、既に殺されてしまっていたことが分かる…。

そこまで聞いたところで、怒りのあまり部屋を出ていくのび太とドラえもん。2人はハナ夫を助けるために、「タイムマシン」で戦時中の日本へと向かう。そして、動物園でハナ夫を見つけるが、ハナ夫はかなり弱っていた。そこへ飼育員がエサを持ってくるが、そのエサは、毒入りのイモだった…。

■ ビジュアルも刷新! 映像美も魅力だ

今回は、ファンの間でも名作と語り継がれているストーリー「ぞうとおじさん」と、「ドララ~♪」の声がキュート過ぎるミニドラの活躍を描く「ぼくミニドラえもん」という、リニューアルにふさわしいラインアップ。

今回から、2016年公開の「映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生」などで監督を務めた八鍬新之介氏が監督に、さらに2015年公開の「映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記」で監督を務めた大杉宜弘氏がチーフディレクターとして参加。

背景が水彩調からポスターカラー調へ変更し、より濃厚な描写となるという触れ込みだったため、さてどんなもんじゃろうと思っていたが、なかなかどうして、どこか映画のドラえもんを見ているかのような力強い描写だ。

八鍬監督も「背景に力を入れています。ポスターカラー調にし、ディテールも調整が効くような振れ幅のある背景にしています。ドラマでいうライティングのように、光の演出ができるようにし、感情の機微や心象風景がより丁寧に描けるようになります」と語っていた通り、「ぞうとおじさん」の方では爆発のシーンの破壊力も満点だったし、何ならタイムマシンで過去にさかのぼる異次元空間の中も今まで以上に美しかったように思う。

とまあ、そこまで「ドラえもん」をずっと見ていたわけではないので、熱心なファンの方に「このタヌキが何を偉そうに!」と言われたら、もう何も言えねえ。

さておき、今回は何と言ってもぞうとのび四郎おじさん、そしてぞうと飼育員の方のおじさんとの絆がまた泣ける。ドラえもんの世界の動物はいつも愛にあふれているのだが、今回のハナ夫もまた愛にあふれたキャラクターで、持ち前のハナを使ってある人物を助けるくだりは、号泣!

あとは勝手に「ドラえもん」あるあるだと思っている、いついかなる時代のどこにでも、ジャイアン風のガキ大将と、その“太鼓持ち”に口がとんがったスネ夫感のあるキャラクターがいて、のび太の親類をからかっているという流れや、TPOをわきまえた、とても“都合のいい”ひみつ道具が存在するあたりは、いつものドラえもんワールドでホッとした。

バイクでワーワー言いながら暴走するあたりもドラえもんらしく、映像などは新しくなった感じをすごくよく見て取れるのに、古き良きドラえもんのセオリーは崩さない。これは、この先、いかに文明が発達しても、たとえドラえもんが生まれた年になったとしても、決して変わらないのではなかろうか。

「百年先も愛を誓うよ」と、ある国民的アイドルグループさんが歌っていたが、百年先もドラは変わらないんだろうなと、感じずにはいられなかった。

個人的には、やっぱり子供の頃に見てよくまねをしたミニドラが久々に見られてとても感慨深い。どこでもドアもタケコプターもミニサイズでかわいらしいんだこれが。あんなに小さかったらそりゃ入れないよなあ。

ん? おまえはそもそもミニサイズだから入るだろって? 

誰がミニ記者だ!

最終更新:7/28(金) 5:00
ザテレビジョン

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