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副業は「得」か「損」か、“雇用のプロフェッショナル” 3人に聞く!

7/28(金) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 働き方改革の本丸の一つが企業による副業解禁だ。すでに「副業時代」の到来と騒がれる。だが、実際にはどのようなメリットやデメリットがあるのだろうか。「雇用のカリスマ」と名高い雇用ジャーナリストの海老原嗣生氏、副業ならぬ「複業」を進め、社員に多様な働き方を認めるサイボウズの青野慶久社長、そして副業解禁に対して独自の仕組みで社員に合った働き方を提案する印刷会社・帆風の犬養新嗣氏にそれぞれ話を聞いた。(取材・文 武田 旋)

● 解禁に消極的な5つの理由

 雇用ジャーナリストの海老原嗣生氏は、リクルートグループで20年間以上、雇用の現場を見つめてきた大ベテランだ。そんな海老原氏だが、「副業解禁」には消極的だという。海老原氏は5つの理由を挙げる。

● 疑問1 本当に早く帰れるのか

 なぜ副業を推進できるのか、根本的に疑問です。日本の労働者は、副業ができるほど早く帰ることはできません。欧米と比べても日本人の労働時間の長さは際立っている。「働きすぎ」と言われるカードル(フランスのエリート層)と比べても、日本人のフルタイマー労働者全体(非正規・一般職などを含む)の方が長く働いているんです。

 現在、声高に「残業時間の削減」が叫ばれています。だが、本当に残業が減らせるのか。残業の理由の大半が、「仕事量が多い」「人手不足」です(下グラフ参照)。しばしば言われる「生活費のため」「上司からの評価のため」というのは数%程度で、都市伝説に過ぎません。その上、副業なんてできるのか。まずは前提としてこうした現状を踏まえなければならないでしょう。

● 疑問2 特殊スキル保持者のみが対象なのか

 副業への疑問はまだ尽きません。6時以降に退社することができたとして何ができるのか。日本の労働者の9割が、事務職や営業職と言われています。彼らは終業後にどのようなスキルを発揮すればいいのでしょうか。

 ライターやマーケターといった特殊な職能を持っていなければ、終業後に仕事をこなすのは難しいでしょう。仮にライティングスキルを持っていても、夜から取材活動を始めることは稀。副業が解禁された製薬会社のロート製薬でも、副業で稼いでいるのは、薬剤師の資格を持っている社員が「名義」を貸すことで収入を得ているケースが多いと聞きます。おそらく、薬品の営業であるMRや、事務職の人は副業で稼げてはいないと思います。そう考えると、「副業」とは極めて限定的な職種を対象にしていると言っていいでしょう。

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