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婚活サイトで出会った僧侶夫婦の意外な生活

7/28(金) 8:00配信

東洋経済オンライン

 お寺主催の婚活「寺コン」が人気だという話は聞くが、お坊さん自身の結婚事情はよくわからない。修行にしても檀家との付き合いにしても、公私の切り分けが難しい世界だ。どうやって相手を見つけるのだろうか。僧侶の妻になる決意をした人にも会ってみたい。

■驚きの新婚生活

 待ち合わせ場所の新宿京王プラザホテルに現れたのは、某禅寺にて住み込みで修行中だという福島誠一さん(仮名、39歳)と涼子さん(仮名、40歳)の夫婦。昨年結婚したばかり。誠一さんは驚きの新婚生活を語る。

 「弟子の立場なので、師匠(住職)が決めた枠内で動くしかない生活です。自分たち夫婦のことを自分たちで決められません。将来のことを聞いただけで『修行中にそんな心配をしてどうする』としかられますから。朝4時起きで座禅して、日中はひたすら作務をします。檀家さんが来たらお茶を出す。夜も座禅。夫婦で過ごせる時間は、夜の9時以降と月3日の休みだけです」

 ブラック企業どころではない労働環境である。しかし、誠一さんも涼子さんも自らの意志で寺に留まっている。座禅は自主参加だ。涼子さんも看護師の仕事をいったん辞めて、いまは誠一さんと一緒に作務に励んでいる。

 「結婚をするときに師匠夫妻から寺に入ることを勧められたからです。住職の奥さん見習いだと思うしかありません。やってもみないのに『できません』と言うのは悔しいので……。修行とはいえ、師匠からボロクソに言われている誠一さんのそばにいてあげたいという気持ちもありました。最初のうちはがむしゃらにやっていましたが、今はちょっと苦しいです。やっぱり病院の仕事に戻りたいな、お寺と両立できないかな、と思うこともあります」

 普段の生活が過酷なだけに、今日のような休日はひたすらに楽しく、結婚して良かったと実感するという。誠一さんは住職の息子ではなく、寺にはほかに兄弟子もいる。寺を継げるとは限らず、将来のことは何も見えていない状態だ。それでも2人には明るさがある。なぜなのか。それぞれの話を聞こう。

 誠一さんは大学を卒業後も就職はしなかった。居酒屋などの飲食店でしばらく働き、おカネがたまったらアジア諸国を放浪する日々。もともと東洋哲学や仏教に興味があり、旅先は仏教国の聖地であることが多かった。

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