ここから本文です

「ジャンボ機」が生産終了に追い込まれたワケ

7/28(金) 6:00配信

東洋経済オンライン

 1970年のデビュー以来、「ジャンボ」の愛称で親しまれてきたボーイング747旅客型の生産がひっそりと終わろうとしている。500人以上を一気に運べ、航空旅行の大衆化に大きく貢献した747だが、燃費が良く騒音がより小さい新鋭機に押され、航空市場の表舞台から立ち去る時が目前に迫っているようだ。

この記事の写真を見る

 50年近くにわたって世界の空を飛び回っている747は、これまでに1500機余りが出荷されている。

■「ジャンボ機旅客型の最終号機」

 ボーイング社が定期的に発表している「機体の受注・納入リスト」によると、今年6月時点で747シリーズ最新モデルの旅客型「747-8I(Iはインターコンチネンタルの略)」の受注残は5機となっていた。その後、7月上旬になって5機のうちの3機が受注残リストから姿を消した。発注元であるロシアの航空会社・トランスアエロが倒産したためだ。

 ボーイング社のリストによると、残る受注残は2機ある。そのうち1機の納入先は「匿名の購入者」と記されており開示されていない。この匿名の購入者について、航空アナリストのDhierin Bechai氏は「業界ではカタール政府の専用機として使われるとの見方が有力」と指摘しており一般の旅客機ではないようだ。もう1機のほうは大韓航空にまもなく引き渡されるが、この機体が「ジャンボ機旅客型の最終号機」となる可能性が極めて高い。

 なぜ「最後の機体」との観測が持ち上がっているのか。その根拠を述べてみよう。

 かつて、大陸間を飛ぶ長距離便には4基のエンジンを持つ747や、3基を搭載したDC10といった機体が主に使われていた。これは、当時のエンジンの技術的な問題で、遠くへ飛ばすには3~4基のエンジンによる推力が必要だったほか、飛行中のトラブルでエンジンがひとつ止まってしまっても、残りのエンジンを使って飛行が続けられるというトラブル回避の理由もあった。逆にいうと、エンジン2基の機体では、万一の時に1基で飛び続けなくてはならず、それは「極めて危険なこと」と考えられていた。

1/4ページ