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不眠に悩む人は必見 「睡眠薬」との上手な付き合い方

7/29(土) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 寝つきが悪い、夜中や早朝に目が覚めてしまうなど、不眠に悩む人が増えている。人生の約3分の1の時間を眠って過ごすからこそ、誰もが睡眠を大切にしたいと思うもの。日本睡眠学会理事長であり東京慈恵会医科大学葛飾医療センター院長の伊藤洋氏に、不眠症の弊害や治療の進め方、良質の眠りの秘訣について聞いた。

■不眠症は生活習慣病や認知症など、全身に影響を及ぼす

――不眠症の患者はどのくらい増えているのでしょうか。

 平成26年(2014年)厚生労働省「国民健康・栄養調査」によれば、成人の20%、5人に1人が睡眠による休養が十分に取れていないと答えています。しかし、不眠症の診断基準は随時改訂されているので、正確な患者数の推移は把握できず、実際の患者はこの半分以下の6~10%程度と推測されます[注1]。ただ、不眠症は高齢者に多いので、今後ますます高齢社会になれば不眠症の人も増えていく、これは確かなことです。

 かつては「眠れないくらい大したことではない」と軽視されていた時代もありましたが、長距離バスの居眠り運転事故などをきっかけに、睡眠の重要性がクローズアップされ、不眠症に対する関心も高まっています。

 不眠の影響は全身に及び、不眠症の人は糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病になる確率が高いことも分かってきています。その反対もしかりです。糖尿病患者の不眠症が改善するとHbA1c(過去1~2カ月間の平均的な血糖値を反映する指標)が下がるように、不眠が治れば身体症状まで改善することが明らかになっています。

――そもそも高齢者に不眠症が多いのはなぜですか。

 高齢になると心身の不調を感じやすくなるので、それらによる心理的ストレスや、睡眠と関連する生活習慣病の増加、加齢による睡眠リズムの変化(目覚める時間が早くなる、眠りが浅くなる)など、様々な要因が重なり、不眠を引き起こしやすくなります。

 例えば、高齢者に多いアルツハイマー病の患者では、約40%に何らかの睡眠障害があることが分かっています[注2]。アルツハイマー病はβアミロイドというタンパク質が脳内に蓄積することが原因と考えられていますが、きちんと眠れるとβアミロイドは洗い流されます。それに対し、不眠症の人はβアミロイドがたまって記憶も悪くなり、認知症になるリスクが高まります[注3]。加えて、不眠が長く続くと、脳内で記憶に関与する「海馬」の容積が小さくなることも分かっています[注4]。

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最終更新:7/29(土) 7:47
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