ここから本文です

ふわふわむちむちマーラーカオ! 喧騒の【ワゴン飲茶】 第七回<ツレヅレハナコの香港・台湾食いだおれ記>

7/29(土) 6:01配信

幻冬舎plus

ツレヅレハナコ

 数年前まで、東京にも「ワゴン飲茶」のお店が何軒かありましたよね。
私も子どもの頃は家族で新宿「東京大飯店」に行き、
好きな点心をワゴンから選ぶのが楽しみだったものです。
ところが、今や東京でワゴン飲茶をやっている店はゼロ! 
「こうなったら香港まで食べに行くしかないわ……」と、
ここ数年、野望をみなぎらせていたのでした。

→すべての写真を見る(配信元サイトへ)

 というわけで、留美子さん曰く「香港の飲茶と言ったらココ!」の「蓮香楼」へ。
誰もが知っている老舗で、朝から夕方までお客さんでにぎわうのだそう。
「とにかく戦争だから。気合い入れていくよっ」って、せ、戦争……? ? ? 
その意味は、店に入ってしばらくしてわかりました! 

 広めの店内にはテーブルがみっちり並び、朝9時からすごい熱気。
香港人にとっては、飲茶=朝食だもんねー。
そして、店内の通路を走るのは…会いたかったよ、飲茶ワゴン! 

 とりあえず席につき、おなじみの茶器を湯で洗う儀式。
各テーブルには伝票が置かれます。

 巨大なポットからは、じゃんじゃんお湯を入れてお茶が配られる。

 一人分を茶碗で飲むタイプのお茶もあります。

 「さあ、行こう!」と伝票を手に、近づいてきたワゴンへ。
ワゴンには小さなセイロが大量に積んであり、
指をさすと担当のオバちゃんがふたをパカッと開けてくれます。
気に入ったものがあれば伝票を渡して印をつけてもらい、
席まで自分で持ち帰る…という流れなのですが、これがすごい! 

 新しいワゴンがやってくると、人がわらわらと集まり、
われ先にとオバちゃんに伝票を渡そうとする。
ここで勝手にセイロにさわったり、割りこんだりすると、
容赦なくオバちゃんから「やめな!」的に怒鳴られるという……。
とはいえ遠慮していると商品はなくなっていき、
永久に食べられないので強気でぐいぐい行く必要があるのです。
これかー、戦争って! 

 海老焼売や蒸し餃子、肉まんなどの点心から、
排骨の豆鼓蒸し、蓮の葉に包まれた炊きこみごはんなどなど……
ああ、目移りしちゃうー! 

 蓮の葉ごはんの中には、甘辛いチャーシューと塩漬けの黄身。

 この巨大なぷりぷりした浮き粉の蒸し餃子には、
ユリ根のようなサクサクしたものが入っていた。う、うまい…。

 食べ逃したおいしそうなスープ。
写真撮ってる場合じゃなかったわ……出会いは一期一会! 

 腸粉もぷりっぷり。
海老がどっさり入っていて、ちょっと甘めのソースがかかっている。

 厨房を覗くと、点心師さんたちもフルスロットル! 
こっちも戦争じゃー! 

 お菓子なんかもあるんですね。

 …と、そこへ「あー!  コレ食べなきゃダメなやつよ。マーラーカオ!」。
いわゆる中華風蒸しパンですが、ここのマーラーカオはとにかく最高なのだそう。

 甘いものを食べない私ですが、そこまで言うのならと一口。
その瞬間「な、な、なんですかこれ!! !!」
ふわっふわのむっちむち。
めちゃくちゃおいしいーーーー! 
甘さもちょうどよくて、なんというか人生ベストワン蒸しパン……。
正直、それまで食べていた点心がかすむすばらしさでしたわ。

 はー、朝からさんざん食べて飲んで大満足。香港に来てよかったよー! 
こんなにおいしい戦争なら、毎週でもやりたいなあと思う本場飲茶なのでした。


■ツレヅレハナコ
2004年5月より食をテーマにしたホームページ「ツレヅレハナコ」を開設(現在はブログに移行)。以降、100万view超えのブログ、ツイッター、インスタグラムなどで個人的な食情報を紹介し続けている。角打ちからビストロ、自作弁当からホームパーティまで、外食・自炊ともに食への欲望は尽きず。それでも、「目玉焼きをつまみながら家で飲むお酒がサイコーだな」と日々思う家飲み好き。

ブログ「ツレヅレハナコ」 http://turehana.exblog.jp/
ツイッター @turehana
インスタグラム turehana1

はじめての著書となる本書は、SOLOで連載中の「ツレヅレハナコの夜のひとり呑みレシピ」を大幅に加筆修正。レシピだけでなく、お勧めのお手軽ワインや香味野菜を長持ちさせる方法など読み応えたっぷりのコラムも多数収録しています。

最終更新:7/29(土) 6:01
幻冬舎plus