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ストーリー戦略で弱小校をラグビー全国大会に導く:第1回 意識改革『60分しかない』から『60分もある』へ

7/29(土) 9:20配信

コーチ・エィ

「週3回、1回1時間半」という練習で、弱小チームだった静岡聖光学院ラグビー部を監督就任後わずか3年で花園出場に導き、高校ラグビー界の常識を覆した星野明宏氏。現在は、ラグビーU18 日本代表チームのヘッドコーチも務められています。

大手広告会社から大学院を経て教師に転身したというユニークな経歴の持ち主でもある星野氏に、強いチームづくりの哲学について、お話をうかがいました。

第1回意識改革『60分しかない練習』から『60分もある練習』へ
第2回選手が夢を描ける言葉をつくる
第3回スポーツを通してPDCAを回す思考力を身に付ける
第4回大手広告代理店を辞めてまで得たかったもの

「常識」にとらわれず、環境を最大限に活かす

---- 星野さんは、厳しい環境下で結果を残されてきました。静岡聖光学院ラグビー部のマネジメントにおいて、工夫されたことについて教えてください。

星野) 静岡聖光学院は、学校の校則で、火・木・土しか練習ができないうえ、火曜と木曜は90分、土曜日でも最大120分しか練習時間がありません。ナイター設備もなく、11月~2月の冬場は、火曜、木曜の練習はさらに短くなり、60分です。

練習時間が短いと、へたをしたら、ウォーミングアップをして、気もちを高め、「これからだ」というときに、練習が終わってしまいます。そこで、短い時間の中で何をしなければいけないかを考え、必要なことだけを抽出してやるようにしました。作業と活動(仕事)を分けて考え、とにかく作業や隙間の時間を少なくすることが私の指導のポリシーです。

---- 具体的には、どのように取り組まれていったのでしょうか。

星野) まずは、60分の練習で「力を出し切らせる」ことを考えました。

実際に練習を見てみると、隙間の時間がたくさんあることがわかりました。たとえば、並んで自分の番を待つ時間のある練習。「見て学ぶことも練習だ」と言いますが、見て学ぶのであれば、上手い人の映像を編集し、学校の行き帰りや、トイレの時間などでも観られるような動画をつくったほうがよっぽど効率がいい。そこでまずは、並んで待つ時間をなくしたいと考えました。タックルの練習も、3人を一組にして、タックルをしたらすぐ並び、再びすぐタックルするという繰り返しを、練習の基本としました。

また、水分補給の時間も工夫をしました。練習中、水分補給の時間をとるとなると、どんなに急いでも1回あたり60秒ほどかかります。60秒といえば、試合中ならトライを取られた後に敵のゴールキックを待つ時間と、ちょうど同じくらい。それを、ただ水を飲むだけの時間にするのではもったいない。実際、「水を飲む」こと自体は、15秒もあれば十分なんです。そこで、水分補給の60秒に、ミーティングも兼ねることにしました。水を飲みながらミーティングし、「60秒前のチーム状況」と「60秒後のチーム状況」を変える、向上させる、という訓練にあてました。

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最終更新:7/29(土) 9:20
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