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デジタルマーケティングの「本質」とは何か?:求められるデータドリブンな側面の理解

7/29(土) 7:10配信

DIGIDAY[日本版]

本記事は、WPPグループ最大のデジタルエージェンシー、VMLの日本法人の代表と、株式会社FICCの代表取締役を兼務する、荻野英希氏による寄稿コラムとなります。

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デジタルマーケティングは、「デジタルメディアを通じたマーケティング」ではありません。デジタルメディアのインタラクティブ性(反応を収集し、記録する特性)を活かした、「数値化されたデータに基づくマーケティング」と定義すべきです。ターゲティング精度が高く、粒度の細かいコミュニケーションが可能なデジタルマーケティングでは、データに基づく継続的な軌道修正と改善が効果的です。しかし、多くの広告主は、いまだこのデジタルマーケティングのデータドリブン的な側面の理解に至っていません。

インタラクティブ性と、高精度なターゲティングは、特定ターゲットの広告反応を計測可能にします。得られた反応データをもとに、コミュニケーション設計やメディア運用を改善すれば、継続的なマーケティング効果・効率の向上が見込めます。いまや、この考え方はダイレクトレスポンスだけでなく、ブランドマーケティングにも適用できます。しかし、パフォーマンスの向上に役立つデータを得るためにはまず、マーケティング施策を得たいデータに合わせて設計しなければなりません。

オーディエンスの分類

データ取得が可能な属性(年齢や興味など)によって、オーディエンスを分類することで、マーケターはターゲットごとの反応に意味を見い出せるようになります。もしターゲットが分けられていなければ、得られる反応データはひとつの無意味な塊となり、属性ごとの違いが見えません。何人が目的を達成したか、ということだけがわかり、それがどのような人物であるかを知る事ができないのです。ターゲットを広く設定することは構いません。ただ、その反応データは必ず属性ごとに収集し、分析可能にすべきです。

コミュニケーションの設計

デジタルマーケティングの利点は、粒度の細かいコミュニケーションが可能なことです。元P&Gの音部大輔氏が考案した”パーセプションフローモデリング”という手法を使えば、生活者が購入に至るまでの段階的な態度変容と、必要な刺激からコミュニケーションを設計できます。そして、DAGMAR(広告効果測定のための広告目標の定義)という広告効果管理のアプローチを採用すれば、段階ごとの広告接触と、その態度変容効果の測定が行えるのです。

ターゲットのニーズが異なれば、フローも分岐されます。しかし、フローの分岐は実施と管理の工数を肥大化させるため、最小限に抑えましょう。

広告の反応データは、さまざまな方法で収集することができます。しかし、マーケターはデータを収集をする前に、その意味を正しく理解しなければなりません。動画視聴、ページビュー、スクロール深度、クリックなどの行動データは、広告との接触や、接触時の反射的行動を計測しています。心理的な反応を計測し、態度変容や購買行動の有無を確認するためには、ブランドリフトサーベイと呼ばれる、アンケート調査が必要となります。行動データとサーベイデータが互いを代替することはなく、広告接触と心理効果の関係を理解するために補完し合わなければならないのです。

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