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出世する人は なぜ人事評価を気にしないのか? 「出世のカベ」こうして超える!

7/29(土) 12:10配信

NIKKEI STYLE

 会社で働いて給与を稼ぐ。このような一般的な感覚だけを持っている限り、出世の天井を超えることは難しくなります。

 出世の天井とは、役職で言えば課長と部長の間、あるいは役員手前に存在しています。年収でいえば、中堅企業で1000万円、大企業だと1500万円から2000万円の間くらいにあります。あるいは、起業して成功できるかどうか、ということの出世の天井の一つでしょう。

 会社が働いて給与を稼ぐ場所じゃないとすれば、どういう場所なのでしょう。

■行動に対する対価という考え方のワナ

 私たちは何かをすればそのお返しを得るということを普通のことだと理解しています。自分の時間を使って、その代わりにお金を得る。アルバイトをした時に最初に理解する「稼ぐ」構造はそういうものです。

 GIVE&TAKEという言葉に示されるように、何かをしたらそのお返しを受け取る、あるいはしてもらったらお返しをする、という発想を自然に学びます。

 しかしこのお返しという概念、つまり「対価」という考え方をした瞬間に、私たちがそのためにしたことを「負荷」として捉えるようになります。そして負荷と対価を比べるようになり、損得を考えるようになってしまうのです。

 たしかに、いくつもの心理学、経済学の実験が、行動と対価の関係について研究を進めています。それらの構造は基本的には、前回記事「出世する人は『好子』が上手!? デキない部下に楽しみ与え、自分も偉くなる秘策」(=記事下の【関連記事】からお読みいただけます)で説明したとおり、インセンティブが行動を促すきっかけになるというものです。

 だから、対価を得て行動するということは、会社が求める成功を手に入れやすくなるし、その結果として成長実感も満足度も得られるので、決して悪いことではありません。

 けれども、「稼ぐ」ことを対価として理解した時、出世の天井がこっそりと私たちの頭の上にできてしまいます。

■対価を「稼ぐ」ことはコストになるということ

 行動に対価を支払う。あたりまえのようですが、ここには大前提があります。それは「対価を支払う」存在があるということです。

 会社が従業員に給与を支払うのは、勤労に対する対価です。勤労の結果、なんらかの財が生み出されるから対価を支払うのですが、それはすなわち、「勤労が財のコストになっている」ということです。つまり、対価を受け取る時点で、それはコストになることを受け入れていることうことに他なりません。

 対価を支払う存在としての会社。この存在を私たちはあたりまえに考えすぎているのかもしれません。

 そもそも通貨の発生概念からいえば、通貨は交換のためにあるものです。交換を効率的に行うために、共通の信頼をもとにしたモノサシとして生まれたものが通貨であるとするならば、交換できるものが通貨に対応します。そして現代に生きる私たちは労働を通貨に交換することをあたりまえに考えてしまっています。

 それはすなわち、自分自身の労働を、モノを生み出すためのコストにしてしまっているということ。とすれば、そこに生まれる天井とは、生み出される財に対するコストとしての天井です。

 月に100万円が財として生まれていて、それに対して労働が貢献している割合が30%とすれば、コストとしての割合もおよそ30%になるでしょう。すると支払われる対価は30万円。そしてもしこの財が労働する時間に比例して生み出されるとすれば、飛躍的に対価を増やすことはとても困難だということがわかります。

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最終更新:7/29(土) 12:10
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