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iPodは「音楽」に何をもたらしたか。その功績を、販売終了を機に振り返る

7/29(土) 12:30配信

WIRED.jp

アップルが音楽プレイヤー「iPod nano」と「iPod shuffle」の販売を終了した。長きにわたって愛されたこのガジェットは、音楽を聴くという行為を激変させた。ひとつの時代の終わりを迎えるにあたり、iPodが成し遂げた革新を振り返る。

iPod:魅力的なデザインの10年間

静かに「死」に向かっていたアップルの「iPod」が突然、本当に消えてしまった。かつて爆発的な人気を誇ったiPodは、約16年かけて計4億台も売れた大ヒット商品である。しかし、アップルは2017年7月27日(米国時間)、オンラインストアから「iPod Nano」と「iPod Shuffle」を静かに引き上げてしまった。

まだ「iPod Touch」は生きながらえている。現時点でアップルは、容量32ギガバイトのiPod Touchを199ドル(日本では税別21,800円)で販売している。だが、これは「本物の」iPodではない。「簡易版のiPhone」だ。アップルの「本物の」音楽プレイヤーの命脈は、これで尽きてしまったのである。

あなたは自分の手元のスマートフォンを眺めながら、どうして存在しなくなった音楽プレイヤーのことが気になるのか不思議に思うことだろう。今や音楽再生はスマホの機能のひとつにすぎず、しかもiPodのそれは時代遅れだというのに。

間違いない。iPodが人気だった時代から、もう数年は経っているのだ。そしてアップルでさえ、iPodに関連する収益を「その他のプロダクト」に含めてしまったのである。アダプターやヘッドフォン、そしてApple Pencilのケースと一緒くたの扱いである。

「iPodの死」はひとつの時代の終わり

さかのぼること2014年、ハードディスクドライヴ(HDD)を使った「iPod Classic」の販売が終了した頃のことだ。CEOのティム・クックは、「われわれの誰もが、iPodは収束していくビジネスだとわかっています」と語っている。iPodのための市場なんて、もう残っていないのだ。

ある意味、「iPodの死」はひとつの時代の終わりである。高校時代を思い出してみよう。へんてこな金色をしたiPod Miniが、学校の駐車場に停めてあったわたしのクルマから盗まれてしまった。iPodのHDDは、そのころクールだと思っていたツェッペリンやクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルなどの曲で満杯だった。それが友達の手に渡ったりして、何を聴いているのか知られるのが恐ろしくなったものだ。

音楽といって思い出す記憶は、人によってはレコード屋でLPのジャケットを次々に引き出しながら選んだことかもしれない。CDを黒いCase Logic製のバインダーに几帳面に整理したことかもしれない。それと同じように、iPodは記憶のなかに残っているのだ。

iPodをパソコンにつなぎ、iTunesで同期が終わるまでの永遠に思えるような時間を待つ。楽曲情報を管理し、プレイリストをつくる。そして誰もが、完璧な曲を探すときに親指でなぞるクリックホイールの感触を思い出すだろう。

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最終更新:7/29(土) 12:30
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