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北海道移転後通算1000勝達成、帯広に羨ましさ。2000勝こそ釧路で【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#56】

7/29(土) 10:30配信

ベースボールチャンネル

 釧路、帯広の2連戦は平日のデーゲームながら、両日とも超満員。ファイターズがしっかりと北海道に根付いていることを改めて証明する結果となった。

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■釧路・帯広の2連戦は満員に

 7月25、26日は釧路、帯広の平日デーゲームの2連戦だった。ロッテとの5位6位対決ではあるけれど、両球場ともに満員の大盛況だ。普段なかなか見られない生のプロ野球を皆、楽しみにしている。予告先発は釧路が有原とスタンリッジ、帯広が上沢と唐川だ。主戦級の投手が地元球場のマウンドに立つ。釧路の知人が試合前日の街のソワソワ感を教えてくれた。本拠地を「札幌」でなく「北海道」と広く設定して本当によかった。

 だって例えば釧路は札幌ドームからものすごく遠い。北海道へ移転したての頃、末広町のスポーツ用品店でファイターズコーナーを発見して、すごく感動したのを覚えている。JR特急スーパーおおぞらで4時間ちょい、なかなか「ホームチーム」という意識を持ってもらいにくい距離感だ。街には10年や20年、札幌へ行ってない大人がゴロゴロいる。若者なら予備校とかコンサートとか目的もあるだろうけど、大人は生活圏が違う。感覚としては東京と静岡くらい離れていると思ってほしい。

 実は僕は子どもの頃、釧路に住んでいたのだ。春採湖畔にあった柏木小学校(廃校になったと聞く)に通っていた。家の近くに釧路市営球場(現在の富士見球場)があって、年に一度、プロ野球の2軍戦が開催されるのが一大イベントだった。まだ北大通に丸三鶴屋デパートがあった時代だ。スパカツの泉屋が創業して10年たってない頃。

 今回、有原航平が投げたのは釧路市民球場といって、釧路市営球場と名称がよく似ている。似ていてまぎらわしいから「市営」のほうは富士見球場と改められることになった。GAORA中継を見て驚いたのは人工芝だ。釧路市民球場は4年の歳月と6億あまりの予算をかけて、北海道初の屋外人工芝グラウンドにリニューアルされた。人工芝はメットライフドームと同じタイプだそうだ。札幌ドームのようにカチンカチンじゃないからヒザや腰への負担が少ない。僕は常日頃から釧路寄り(ジョイパックチキン好き!)の立場を取ってるから、「やったぜ釧路!」とガッツポーズだ。

 釧路のファイターズ戦開催は9年ぶりだった。あんまりゲンのいい球場でもなくて、ダルビッシュ有がプロ初黒星を喫したのが当地だ。だけど、熱いファイターズファンがいる。何人かは具体名で僕が知ってる。もうね、せっかく人工芝グラウンドにしたんだから毎年来てほしい。気温は日中で16℃ということだった。実況の近藤祐司さんがしきりに寒がっていた。僕は子ども時代、夏休みにプールに入るとき、着替え所でストーブ焚いてたのを覚えている。7月下旬で16℃なら十分あり得ることだ。


■十勝で千勝!

 で、肝心の試合だがまったくいいところなく敗れた。有原はコンスタントに失点を重ね、8敗目(今季5勝8敗)。打線も全然つながらず、スタンリッジを攻略できなかった。スコアは0対4。ゼロ行進の試合は盛り上がるところがなーんもないのが困る。いや、札幌だったら今日ダメでも明日また出直せばいい。釧路はそうはいかない。ファンに何か見せてほしかった。強いて言うなら大谷翔平のヒットかな、ファンが後々まで語り草にできそうなのは。か、「走り打ちのサントスの走り打たないホームラン」かな。ちょっといくら何でもマニアックか。

 というのは翌26日、帯広の森野球場が素晴らし過ぎたのだ。ラッキー7の攻撃で代打・矢野謙次が逆転の2点タイムリー! 続く8回には大谷翔平が見る者すべての度肝を抜く140メートル場外弾だ。上沢直之がチームの連敗を4で止める3勝目(今季3勝3敗)。何か7月はほぼ上沢登板試合だけ勝っている。ヒーローインタビューは矢野&上沢で「帯広最高!からのファイターズ最高!」。で、これが球団の北海道移転後1000勝だ。裏ドラまで乗ってたみたいな話だ。十勝で千勝。これは球場で目撃した12663人の観客ひとりひとりが誇りにできることだ。

 いいなぁ帯広。うらやましいよ帯広。と釧路寄り(ジョイパックチキン好き!)の筆者は思う。こっちは人工芝にまでしたのに完全にいいとこを持っていかれた。十勝で千勝、うまくハマったなぁ。道南でどうなん? じゃ決まんないもんなぁ。というわけで今回のコラムの結論。釧路のファイターズファンは強く生きよう! 揃いの1000勝記念Tシャツやお祝いの花やなんかもきっと釧路でも用意されていたんだよ。惜しかったなぁ。こうなったら2000勝はきっと釧路市民球場だ。その意気でがんばろう!


えのきどいちろう

ベースボールチャンネル編集部