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早実・清宮に「脅弾」を浴びた 八王子・米原大地が笑顔でいられたわけ

7/29(土) 14:32配信

webスポルティーバ

 マウンドで思わず笑みがこぼれた。

「正直、自分では投げ切れたと思ったので。それがここまで飛ぶんだなと。やっぱりすごいバッターだなと思ったら、自然と笑顔になっていました」

【写真】清宮を待ち構える、恐るべきシナリオ

 八王子のエース・米原大地(よねはら・だいち)は晴れやかな表情で「脅弾」を振り返った。

 早稲田実業が2対1とリードして迎えた7回表。先頭打者として打席に入った清宮幸太郎は、カウント2ボールからの3球目、外角に沈むチェンジアップを強く捉えて左中間に弾丸ライナーを放った。

「清宮シフト」で左中間に守っていた八王子のレフト・初鹿野滉平(はつかの・こうへい)は最初にそのライナーを見た瞬間「捕れる」と思ったという。

「この弾道なら入らないと思いました。レフトライナーだと思って待っていたんですけど、打球が速いし、全然落ちてこないんです」

 ライナーはそのまま神宮球場の左中間スタンドに突き刺さった。清宮の高校通算107号本塁打は、後世まで語り継がれそうな衝撃的な一打になった。清宮は試合後、ホームランをこのように振り返っている。

「(2球目に)インコースの真っすぐがきたので、次はチェンジアップだなと。ここ(八王子)に勝つんだとずっとチームで言ってきて、自分も『あと5メートル』と思ってやってきたので。個人としてもチームとしても次につながる1勝になりました」

 あと5メートル──。

 それは昨夏、八王子と早実の運命を分けた距離だった。

 昨夏の西東京大会準々決勝、早実は八王子に4対6で敗れ、甲子園2年連続出場の道を断たれている。早実が3点を追う9回表、一死一、三塁の場面でマウンドに立っていたのは、当時2年生だった米原であり、打席にいたのは清宮だった。初球のインコースのストレートを振り抜いた清宮の打球は、角度よくライト後方へと上がった。

 米原が「(ホームランで)同点だ」と覚悟したその打球は、上空の強風に押し戻されるようにして、ライトフェンス手前で失速。あとわずかに伸びればホームラン、という位置でライトのグラブに収まった。結果的に犠牲フライにはなったものの、早実に傾きかけた流れは断ち切られた。この敗戦を機に、清宮は勝負どころでの一打を追求するとともに、「あと5メートル飛距離アップ」というテーマを掲げて取り組むようになる。

 そして1年後、清宮は米原に、そして八王子に雪辱を果たすべく、試合を決定づけるホームランを放ったのだった。

 一方、米原にとって高校生活は光と影の繰り返しだった。中学時代は武蔵府中リトルシニアに所属して春の全国大会で優勝したが、米原は実質3番手格の投手。八王子では入学直後から登板機会を得たものの、1年秋には右ヒジを疲労骨折してしまう。

 2年夏は早実戦まで練習試合・公式戦含めてわずか3イニングしか投げていない「ぶっつけ本番」だった。早実に勝利した勢いそのままに甲子園に出場したものの、初戦の日南学園戦で1回2/3を投げて6失点と打ち込まれ大敗。それでも、3年春には最速147キロを計測して、プロ注目の存在にもなった。

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