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チャンピオンズリーグ敗退時に岡崎慎司が抱いた決意

7/29(土) 11:30配信

@DIME

アトレチコ・マドリードとのUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝2試合で先発出場した岡崎慎司。しかし、得点を決めることはできず、チームは惜しくも敗れた。31歳になった岡崎は、世界最高峰の舞台で何を感じたのか?

■サプライズのハッピーバースデー

 4月16日は31歳の誕生日。今年はイースター休暇の時期だったので、レスターで家族と一緒に過ごし、夕食は近所のレストランへ出かけた。

 食事が終わった頃、お店の人がスマホを手に、「写真撮っていいですか?」と声をかけてきた。「もちろん!」と応えようとした時、僕の後ろから、小さな花火(ろうそくじゃなくて)とともに、ケーキが運ばれてきた。

 さっきまではそんな素振りを全く見せなかった店のオーナーが「ハッピーバースデー!」とお祝いしてくれた。

 初めて行ったお店での「サプライズ」だったから、何だかとてもうれしかった。

 レスターにはインドをはじめ、アジアのいろんな国から移り住んだ人たちがたくさん生活している。アジアは広いから人種も言葉も違うけれど、同じアジア人ということで、僕を応援してくれる人もいる。

 外国暮らしの大変さを誰もが味わっているんだと思うと、「お互いがんばりましょう」という気持ちになる。

 今は週の半分くらいを家族と一緒にロンドンで生活し、残りはレスターでの単身生活。なので、自炊も始めてみた。冬は鍋、最近は炒め物が多い。作るのも簡単だし様々な食材と栄養を摂れるのも鍋と炒め物の良いところだ。

 そして、誕生日の昼食には家族にパスタを振るまった。

■もっと信頼される選手に。やるせない思い

 2月下旬の監督交代以降、チームはリーグ戦5連勝と調子を取り戻した。

 僕自身も3月中旬のUEFAチャンピオンズリーグ・ラウンド16に出場し、逆転でのベスト8進出。3月28日には、日本代表で(やっと)50得点目を決めることができ、少しずつ状況の好転を感じることもあった。だけど、こういう時こそ、「何かあるぞ」と用心深くなるのが、僕の性格だ。

 そして、4月12日、アトレチコ・マドリードとのチャンピオンズリーグ準々決勝ファーストレグを迎えた。

 僕は先発したけれど、ハーフタイムに交代を命じられた。この試合ではチーム全体に疲労感があり、フォワードを1枚にして、中盤を増やすという戦術的な交代だった。本望ではないが受け入れるしかなかった。

 続く、リーグ戦ではベンチスタートとなり、別のフォワードの選手がスタメンで起用された。

 4月18日のアトレチコとのセカンドレグでも、前半だけで僕はピッチを退いた。勝たなければいけない試合でレスターは、守備陣を1人減らし、前線に選手を増やす。

 勝つための戦術変更をする時、僕は外された。そこに至る監督の決断は単純ではないだろう。けれど、「岡崎では勝てない」という結論に達した事実は変わらない。それは「相変わらず」の現実でもあった。

 終盤の猛攻も及ばず、敗退が決まったレスター。諦めずに戦うチームメートの姿を見ながら、レスターらしいなと感じた。しかし、なぜ僕は、ここ(ベンチ)にいるんだろうと、やるせない思いでもあった。

 そして、ゴールを決めてこなかった自分の力不足への苛立ち。はたして、僕は進化しているのか? と自問を繰り返した。

 チャンピオンズリーグ決勝トーナメントという特別な舞台は、僕自身に新しい可能性を見せてくれた。「この舞台で戦いたい」という欲が自然と湧いてくる。と同時に、「もっともっと信頼される選手にならなければ」という強い決意を抱かせてくれた。

構成・文/寺野典子 撮影/乾 晋也、アフロ

※データは2017年4月25日現在のものです。

@DIME編集部

最終更新:7/29(土) 11:30
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