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自由研究にもってこい!大人も知らない謎だらけ「セミの真実」 夏休みスペシャル・「生物地理学」の不思議

7/29(土) 10:01配信

現代ビジネス

 日本人にとって最も身近な昆虫のひとつ、セミ。知っているようで知らない彼らの秘密を、「生物地理学」から考える――。中国奥地を拠点とするネイチャー・フォトグラファーの、夏休み特別寄稿をお届けする。

「ミーンミーン」は大阪では聞こえない?

 今年も暑さが本格化し、セミたちの鳴き声が聞こえるようになりました。

 一年のうちおよそ半年間を、中国大陸の山奥に赴いて撮影とフィールドワークに費す僕にとっては、夏に帰国して、にぎやかなセミの声を聞くと「ああ、日本の夏だ」という実感がわいてきます。「うるさい」と敬遠する人もいるかもしれませんが、僕は彼らの歌声がとても好きです。

 先日、雲南省から関西国際空港に戻ってきた際には、空港の植木からクマゼミの奏でる「爆音」が聞こえてきました。日本人には当たり前のことなのですが、日本のように大きな声で鳴くセミがほとんどいない欧米の人たちには、この「爆音」は驚異なのでしょう。立ち止まって怪訝な顔をしている人が何人もいました。

 日本では、さまざまなセミが夏の間じゅう、多種多様な鳴き声を聞かせてくれます。7月に入ってまもなく鳴き始めるのがニイニイゼミとヒグラシ(「ヒグラシは夏の終わりに鳴くセミじゃないの? と思われる方もいるかもしれませんが、彼らは実際にはかなり早い時期から鳴き始めます)。8月に入りいよいよ暑さも厳しくなってくると、アブラゼミとミンミンゼミ、クマゼミが大合唱を始めます。そして晩夏から9月にかけて、ツクツクボウシの声に夏の終わりを感じる…。

 中でも「夏の代名詞」として親しまれているのが、ミンミンゼミでしょう。銀座や御茶ノ水、新宿など、東京都心でも彼らの鳴き声を聞くことができます。

 ドラマやマンガの中でも、真夏の炎天下を描いたシーンでは必ずと言っていいほど「ミーン、 ミーン」というミンミンゼミの声が添えられています。ただ、こうした描写は、実は生物学的には「間違い」であることがしばしばです。

 以前目にしたとあるマンガに、こんな場面がありました。夏の太陽がギラギラと照りつける大阪・道頓堀。そこにセミの声が、ミーン、ミーンと聞こえてくる…。

 どこがヘンなの? と思われるかもしれませんが、しかし実際には、このようなことはまずありません。なぜなら、京都や神戸などで山に近い地域を除いて、ミンミンゼミは関西の都市部にはほとんどいないからです。大阪市の中心部でけたたましく鳴いているセミがいるとすれば、それはほぼ間違いなくクマゼミです。

 セミの分布のしかたに、東日本と西日本で大きな違いがあることをご存知の方は、意外と少ないのではないでしょうか。

 西日本では、ミンミンゼミは都市部ではなく山地帯に主に生息しています。もちろん何か所か例外はあるものの、とりわけ関西においては、真夏の平地の都市部には、ほぼクマゼミしか棲んでいないのです。

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最終更新:7/29(土) 10:01
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