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「クレームゼロ運動」をやるのは典型的ダメ会社である理由

7/29(土) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

● クレームゼロ運動はクレーム隠蔽の温床に

 前回は、経営者は定期的に「クレームゼロ運動」を行って、社員にクレームゼロを目指せと号令を掛けた方がいいのでしょうか? という問いで終わりました。もちろん、クレームはないにこしたことはありませんが、「事故ゼロ運動」や「ミスゼロ運動」とは本質的に違うものです。それらと同じ感覚で、クレームゼロ運動をやる会社は、典型的なダメ会社です。

 なぜなら、事故やミスは自社の問題ですが、クレームはお客さまが発する声だからです。

 経営者がやっきになってクレームゼロ運動をやればやるほど、クレームが隠蔽されたり、対応が遅れたりすることになります。クレームには真摯に対応しなければならないのです。

 例えば「8月をクレームゼロ月間とする」という号令を経営者が掛けた場合、運良くゼロの日が続いたものの、月末になってクレームが発生したら、そのとき社員はどうするか。

 そのクレームを「せっかくここまで今月はゼロできたのだから、9月のクレームとして先延ばししよう」と考えるはずです。クレームを「悪」だと考えるから、そういうことが起こるのです。

 実際にあった話をしましょう。

 ずいぶん以前のことですが、従業員10人ほどのある会社の経営者が、売上の半分を占めるような大口顧客から呼び出されました。部下の営業マンに「何かあったのか? 心当たりはあるか?」と聞くと、「新たな取引の話なのではないですか?(笑)」とのんきな答えが返ってきました。

 ところが、待ち構えていた先方の部長はあいさつもそこそこに取引中止を通告したのです。

 理由はクレーム対応のまずさでした。「あなたの会社に半年前にクレームを申し入れたが、何も対応してくれなかった。今回またクレーム事案が発生し対応を求めたが、また何もしない。即刻取引を打ち切る」。

 営業マンがクレームに十分対応していなかったのです。その会社は立ち行かなくなりました。

 クレームに真摯に対応しない、さらには、クレームをクレームと感じないというのは、結果的に会社をダメにするということを経営者は十分に認識していなければならないのです。

● クレームにはどう対応すればいいか?

 社員がクレームを握ってしまうと、会社の死活問題に発展しかねません。そこで経営者は前回紹介した、

 (1)クレームを受けたら、即座に対応する
(2)クレームを直ちに上司に報告する
(3)100倍大変なことが起こったと思って対応する

 というクレーム対応の方針を部下に徹底させる必要があります。

 私の会社(小宮コンサルタンツ)では、経営計画書の中に、クレーム対応の方針を定めています。経営計画書は毎日の朝礼で読むため、クレーム対応の方針が社員に徹底されているはずですが、それでも常に完璧に対応できるというわけではありません。

 クレームを発生させた社員は、上司の叱責を恐れて隠したがるものですが、私の会社では「方針に従って対応した場合は、その責任を一切問わない」「方針に従わず隠した場合は、厳罰に処す」と明記しています。

 しかし、方針に従って対応すれば終わりというわけではありません。1営業日以内に「対応・対策書」を提出させています。この方法はお客さまに教えていただきました。

 「対応」とは「クレームに対してどう行動したか」です。納品した商品の数が足りないというクレームに対して即座に届けたというようなこと。「対策」は同じことを繰り返さないために、どんな対策を講じたかということです。

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