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山形県産のサクランボは、他と何が違うのか

7/29(土) 18:00配信

東洋経済オンライン

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 日本の夏を彩る果物の一つ、サクランボ。鮮やかな赤色に輝く果実は、食べてしまうのがもったいないほど美しい。そんなサクランボの産地といえば、国内生産量の70%以上を誇る山形県。なかでも山々に囲まれた村山地方は、春夏秋冬がはっきりとした盆地特有の気候によってサクランボが美味しく育つ。我々はまさにサクランボの“旬”を迎えた村山地方を訪れた。

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■たっぷりと降り注ぐ太陽がサクランボを赤くする

 サクランボ農園が密集している村山地方では、サクランボの収穫時期が近づくと、町のいたるところに背の高いビニールハウスが連なっているのを目にすることができる。中をのぞいてみると、真っ赤な実をたっぷりと付けたサクランボの木が、今か今かと収穫の時を待っているように見える。

 果樹栽培が盛んな村山地方は、四方を山々に囲まれた、山形盆地を中心とした地域。水はけのいい土壌や豊かな水源はもちろん、美味しいサクランボが育つ最大の理由は、“気温”と“日差し”という2つの条件が揃っていること。村山地方の気温は、昼夜の温度差が大きく、春夏秋冬の年間を通した気温変化もメリハリが効いている。昼間はたっぷりと太陽の光が降り注ぎ、日が落ちると涼しくなるので、養分が実の中にキュッと閉じ込められ、美味しいサクランボが出来上がるのだ。

 昼間の時間が一番長くなる夏至の頃、村山地方のサクランボ農家はまさに収穫のピークを迎えていた。

■1年で最も忙しいサクランボ農家の夏

 約50年間サクランボを作っているベテラン・柴田静江さんの果樹園は、いまやサクランボの代名詞ともいえる「佐藤錦」発祥の地として知られる山形県東根市にある。

 綺麗に整備された果樹園に入ってみると、どの枝にも弾けんばかりに膨らんだ真っ赤なサクランボがぶら下がっていた。収穫間近の佐藤錦を摘んで「食べてみて」と渡してくれる静江さん。口にすると中から甘酸っぱい果汁がたっぷりと溢れ出し、そのみずみずしさと味わいの濃さに驚いた。

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