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安倍首相が「打つべき一手」は実は難しくない

7/29(土) 10:00配信

東洋経済オンライン

 あらあら、蓮舫民進党代表が辞任したと思ったら、今度は稲田朋美防衛相が辞意表明。辞任のダブルバーガーでお腹がいっぱいで、今井絵理子参議院議員の不倫報道はかき消されてしまいそう。今週末の政治番組は、さぞかし盛り上がることだろう。さしあたって、8月3日の大安吉日に予定されている内閣改造・自民党役員人事に向けて、「政局モード」が加速することになりそうだ。

■支持率急低下の裏にある、有権者の変化とは? 

 この間に安倍晋三内閣の支持率は低下を続けている。各社が毎月発表している世論調査で、5月分と7月分の内閣支持率を比較してみると、共同通信-19.6%、時事通信-16.7%、朝日新聞-14.0%、読売新聞-25.0%、毎日新聞-20.0%、日経新聞-17.0%、NHK-16.0%、産経FNN-21.4%と、ざっくり20%前後も下がっていた。

 年初からの安倍内閣支持率は、高めに出る読売新聞や日経新聞では6割台、低めに出る朝日新聞や毎日新聞でも5割台をキープしていた。それが7月調査時点では、時事通信と毎日新聞で2割台、それ以外もすべて3割台に落ちてしまった。逆に不支持率は4割から5割台に達しており、今までの安定が嘘のようである。

 世論調査を長年チェックしていて、これだけの「つるべ落とし」もめずらしい。しかも理由がよく分からない。「もり/かけ学園」や「PKOの日報隠し」が、それほど致命的な問題だとも思われない。強引な国会運営が反感を買ったとは言うけれども、今までもずっとそういう政権だったのだ。安倍首相が、ここ2カ月で急変したわけではないのである。むしろ有権者の側に、何か心理的な化学変化が起きているのではないか。

 過去2カ月に起きたもっとも重要な事件は何か。通常国会において、「天皇陛下の退位に関する特例法案」が成立したことであろう。これによって、来年には今上陛下が退位し、再来年には皇太子殿下が新天皇に即位することになった。つまり、あと1年半ほどで平成は終わる。おそらく来年の今頃には、新しい元号も公表されることだろう。

 つまり有権者の深層心理は、「平成の終わり」を意識し始めている。「昭和の終わり」のときほどではないにせよ、「間もなくひとつの時代が終わる」という意識が広がっている。そのことが、国民の政治意識にも変化をもたらしているのではないか。内閣支持率の急落は、「平成の終わり」と無関係ではないように思えて仕方がない。

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